1.ストレート・アーム
まず最初は、ストレート・アームについて。
これはもう、何と言ったらいいか(笑)。
この技術の非常に難しいのは、決して間違った技術ではない、ということ。
特に、フェデラー、ナダルというツートップが実践しているからこその、大混乱というか(笑)。
これは「ダブルベンド?ストレートアーム?」の回にも話題にしたものです。
まず、お断りしておきますが(笑)、ストレートアームそのものを否定しているわけではないのです。
僕も、生徒によっては、ストレートアーム「気味」のフォームを教えますから。
ただ「ストレートアーム=最新の技術」みたいなのがイヤなのです。
ジョコビッチも、ティエムズも、キリオスも、ワウリンカも、ズベレフも、ハチャノフも、アンダーソンも、フォニーニも、イズナーも、そして錦織もダブルベンドのトッププレイヤーは山ほどいるのに。
女子に至っては、ストレートアームらしいストレートアームは、バーテンスだけではないでしょうか?
にもかかわらず、猫も杓子も「ストレートアーム」。。。。。
いや、何度も言いますが「ストレートアーム」そのものを否定してるのではないですよ(笑)
ストレートアームの特性については「フォームの改造 その19」で、すでに述べていますので、そちらに譲ることとしますが、少なくとも、ダブルベントという技術を駆逐するほどの大きな利点がない、というのが実際のところなのではないでしょうか。
一度、こういう話をYahoo!ブログ時代にしたときに、
「いや、ストレートアームの理論そのものは素晴らしく、非常に利点が多いが、それを体現できている選手が少ないだけだ」
と言われたことがあります。
でもこれ、おかしくないですか?。
一部のトッププレイヤーしか体現できないことこそが、最も大きなデメリットなんでしょ、と(笑)。
そういうのを「良い理論」とは言わないのです。
たとえば、強いトップスピンが生まれたとき、アガシのようなオープンスタンスが生まれたとき、フェデラーのような大の字フォロースルーのバックハンドが生まれたとき、それぞれのフォームは最初みんなが難しいと感じながらも、どんどん広まっていった技術です。
が、このストレートアームは違う。
その原因は、従来のフォームとの明らかな「メリット」の違いを、まともに説明ができないところです。
みんなして、言ってることがそれぞれ違うか、共通してるものに限って物理的におかしい(笑)。
それこそ、ストレートアームを推奨する人ほど、自分独自の理論を展開しようとして、トンデモ理論になりやすい傾向があります。
特に「ストレートアーム」という言葉のインパクトに釣られてしまっているのか、テイクバックの段階からヒジが伸びきった状態にしている人もいます。
さすがのフェデラーやナダルも、テイクバックの時にはヒジを曲げ、フォワードスウィングの開始と同時に伸ばしているのですが。。。。。
これもやはり「フェデラー」という「幻想」が、我々一般プレイヤーの目を曇らせてしまった例の一つだと思います。
【次回へ続く】