そして、練習の後のクールダウン
 
 これは、選手に任せています
 
 選手によって体の使い方は異なります。
 
 したがって、疲労の溜まり方はいろいろです。
 
 毎日同じメニューをこなすわけでは無く、サーブが多いときもあれば、ストロークが多いときもある。
 
 持久力を必要とするメニューだったり、瞬発力が必要なメニューのときもあります。
 
 選手1人1人に得意不得意がありますし、選手の体調もそれぞれですから、全員が同じ練習メニューをこなしたとしても、筋肉痛になる選手がいたり、全く平気な選手がいたり。
 
 疲労が溜まる場所も、選手それぞれで異なります
 
 全員が同じ整理運動を規律正しく行っていれば安心、というものではないのです
 
 もともと、それほど追い込むような練習もあまりしないのですが(笑)、それでもケガ人らしいケガ人が出ることはありません。
 
 体育やホームルームのクラス活動でケガをする方がよほど確率が高いですからね(笑)。
 
 実際には「クールダウン」という言い方よりも「ウォームダウン」というほうが合っているのかも知れませんが、生徒には、運動後には静的ストレッチを薦めています
 
 運動後に疲労によって収縮しにくくなった筋肉では、静脈のポンプの役割を果たしにくくなり、血流が悪くなります。
 
 それが「筋肉が固くなる」という状態になるのです。
 
 これを解消するために、軽い運動を勧められるとき、ありますよね?
 
 高校野球でよくやる、ピッチャーが試合後に、軽くキャッチボールをする、っていうやつです。
 
 あれ、意味あるんですかね?(笑)
 
 もしも、肩やヒジに炎症が起こり始め、熱を持っているのであれば一刻も早く冷やす必要がありますし(まさにクールダウンですね)、血流を確保して筋肉をほぐすのであればストレッチのほうが明らかに有効です。
 
 疲労が溜まる原因となった運動と同じ動作を、軽く、とはいえなぜもう一度繰り返させるのか、僕には分からないのです。
 
 テニス選手でも、試合の後、サーブをしてクールダウン、なんてみたことないでしょ?(笑)
 
 おそらく、ロッカールームに下がって、アイシングやマッサージ、ストレッチなどを行うことで、疲労回復に努めているのだと思います。
 
 クールダウン(ウォームダウン)の大事な点は2つ。
 
1.関節などが熱を持った場合や、筋肉痛を起こしそうな激しい運動の後、筋肉などに痛みがあるときなどには、速やかにアイシングし、炎症の広がりを抑えること。
 
2.体の痛みは少ないが、疲労が溜まり、運動後にも筋肉の緊張が残っている場合にはストレッチを行い、急激に血流が滞らないようにすること。
 
 その際、マッサージは、実はあまりお薦めしません
 
 いや、プロのスポーツマッサージならOK。
 
 ただ、素人のセルフマッサージはダメですし、素人のチームメイトに頼む、なんてのは論外です。
 
 筋肉の繊維は非常に繊細で、セルフマッサージであったとしても、いわゆる「コリ」があるところ、また「痛気持ち良い」ところをマッサージしすぎて揉み返しが起こる、っていうことが意外と多い。
 
 本人はマッサージが上手くいかずに筋肉痛になった、と思っていることが、実はただの揉み返しだった、ってことがよくありますから気をつけてください。
 
 ましてや、理学療法的な知識の全くないチームメイトどうしでマッサージ、ってのはダメです。
 
 肩が凝ってるから肩を揉む、というのとはわけが違います
 
 スポーツ後の筋肉は、高い確率で炎症が起こっている場合があり、下手なマッサージで筋肉に圧力をかけて炎症を広げるぐらいなら、放っておいた方がよほど治りが早い、ってことがほとんどだからです。
 
 ストレッチについても「痛気持ち良い」ぐらいに伸ばす、なんていうことを平気で言う人がいますが、全くダメです
 
「痛」いんですから(笑)。
 
 それは筋肉が悲鳴を上げている状態を、脳が勝手に「快楽」にしているだけ
 
 ただの「1人プチSM」です(笑)。
 
 短期間で関節の可動域を広げることを目的にしているのであれば別ですが、ストレッチは「抵抗」「つっぱり」を感じる程度の強さで、ゆっくりと時間をかけて伸ばす、というほうが血流改善には効果があります。
 
 ちなみに、ナショナルトレーニングセンターには、ドラム缶のようなものに入って、氷点下で一気に体を冷やす、っていう装置があるそうですね。
 
 都内でもそれを利用できるところがあるらしいですが。。。。田舎者には縁の無いことで(笑)。
 
 もしも体に痛みが無く、関節に熱がないのであれば、シャワーを浴びたりお風呂に入ったり、というのがいいでしょう。
 
 
 
 さて、みなさんのウォームアップ、クールダウンは、どんな感じですか?
 
 しっかりとケアをして、長く楽しくテニスを楽しみましょう。