ミニ・ラリーって、ありますよね?
ショート・ラリーと呼んでる方もいらっしゃるかも知れません。
サービスライン付近に立ち、短い距離でラリーをすることです。
以前、ALT(ネイティブの英語講師)の方に、
「『ショートラリー』だと、時間的に短い、とか、あまり続かないラリー、っていうニュアンスに近い」
と教えていただいたことがあり、うちではミニ・ラリーと呼んでいます。
実は、うちのチームでは、このミニ・ラリーを、ウォームアップとしては取り入れていません。
そこで今日は練習そのもの、というよりも、ウォームアップやクールダウンについてお話したいともいます。
うちのチームでは、まずランニングから始まります。
これは「声出しのルール」でもご紹介させていただいたとおり、掛け声をかけて足並みをそろえる、というようなランニングではありません。
ペースこそ揃えますが、歩幅などは選手によって異なるからです。
うちのチームのウォームアップは、その名の通り、体を温めることを優先させます。
また、参考文献でご紹介させていただいた「運動前のストレッチはやめなさい」という本にあるように、運動前に、アキレス腱を伸ばす、っていうような静的ストレッチを何分もかけて行う、なんてこともしません。
時間があるときや、試合前などはダイナミックストレッチと呼ばれる、可動域を広げるための動的ストレッチをがっつりと行いますが、普段はラジオ体操をアレンジした簡単な動的ストレッチで終わりです。
以前「準備運動について」という記事に詳しいことが書いてあります。
さて、この後にコート練習に入っていくわけですが、みなさんはどのような練習から入っているでしょうか?
入部したての初心者はともかく、ある程度ショットが打てるようになると、うちではラリーから入ります。
ここで、冒頭の話しになるのですが、多くのチームやウィークエンドプレイヤーは、ここでミニ・ラリーを入れます。
が、うちのチームではやりません。
実はスタートはサービスラインからラリーを始めるのですが、一打ごとに少しずつ後退していき、ボールが5往復ぐらいするころにはエンドライン上に下がっている、という感じです。
サービスライン付近で2,3往復したら、すぐに普通のラリーとか。
ミニ・ラリーを、ウォームアップとしては行っていないのです。
これは「ミニ・ラリーをしない」ということではありません。
以前、Yahoo!知恵袋でもお話したことがあるのですが、ミニ・ラリーはストロークのフォームのチェックやスピンをかけるイメージを掴むのに非常に適しています。
テイクバックが遅い選手、テイクバックが大きい選手、打点が後ろになりがちな選手、スピンをかけられない選手、細かいステップが踏めない選手はミニ・ラリーが上手くできません。
ですから、そういう「ストローク技術を習得する練習の一つ」として、ミニ・ラリーを取り入れています。
特に初心者にボールを打たせ始めるときには、サービスラインから打たせて、サービスライン内に入れさせる、というところからスタートします。
いきなりベースラインから打つことを覚えると、力んだヘンな打ち方になるからです。
これを、ただのウォームアップとしてやってしまうとダメなのです。
ミニ・ラリーをウォームアップとしてやる、ということになると、フォームも考えず、スピン量も適当で、とりあえず相手が打てれば良い、というような打ち方になるからです。
ですから、うちではウォームアップとしてはミニ・ラリーはしません。
ラリーの時間は、キャプテンに任せています。
あくまでもウォームアップとしてのラリーなので、全体的な指導はしませんが、間違ったフォームやフットワークで打っているときには僕のほうから注意もします。
ただ、たとえばこのラリーの後に「練習としてのラリー」を別枠でやるのが普通になっているので(笑)、生徒もそこらへんは意識をしてやっているようです。
今日の自分の調子やサーフェスの確認をこの時間に行う、という感じです。
ラリーが終わるころには、選手は汗を流してウォームアップウェアを脱ぐぐらいにちゃんとやります。
で、水分の補給など短い時間の休憩を入れて、体が冷えないうちに本格練習に入る、というのがうちのチームのウォームアップになります。
僕が今のチームの顧問にはじめてなったときには、ちょっと違ったメニューでした。
ランニングの後、がっつりとした柔軟をし(笑)、その後、球出しからスタートしていたのです。
最初の球出しこそ、ミニ・ラリーと同じく、サービスラインに立って打つものでしたが(笑)、それでも最初から球出しをするのはちょっとビックリしてしまいました。
5,6人が順番待ちで並んで、しかも1人ずつ打つ、というメニューでしたから、非常に効率も悪く、待っている時間も長すぎてウォームアップにもならない。
着任してすぐに変えるわけにもいかなかったので、1年ぐらいかけて、徐々にメニューを変えたのを覚えています。
僕がウォームアップでイメージしているのは「どんなときにも応用可能なこと」です。
公式戦のときには練習コートの割り当てがあり、早朝の20分~30分の間、練習をすることができます。
ランニングや準備運動はコート外で行えるとしても、それほど長い時間では無い。
このときに、普段の練習と同じようなメニューでやってほしい、というのが僕の考えなのです。
うちのチームのように、田舎の普通科進学校の部活動では、練習時間を多く確保できるわけではありません。
そのため、普段からウォームアップをたっぷりと、というわけにはいかない。
ですから、普段の練習と同じようにラリーに入り、その後に、サーブ・レシーブやボレー&ストロークなどを行うと、ちょうど20分~30分ぐらいに収まる上に、普段とそれほどリズムを変えること無く、試合に入ることができるのです。
ですから、普段の練習でもわざと、ウォームアップのラリーの後には、サーブ・レシーブをよく入れています。
そういうことを突き詰めていくと、ウォーム・アップとしてのミニ・ラリーはいらなくなってしまったのです(笑)。
【次回へ続く】