2.公平性を保つ

 部活動をしていくうえで、これもすごく大事です。
 
 ですから、打つ回数や交代のルールは比較的厳密に決めます。
 
 球出し・球拾いグループと、打つグループを分けて順に交替させるのは、公平性を保つためでもあります。
 
 球拾いを置かずに全員で打つメニューにした場合、誰かが球出しをしなければいけなくなりますから、こういうときには、しっかりと交代のタイミングを決めてやります。
 
「『ある程度』したら交代」
 
 というような曖昧な指示は出しません。
 
 気の優しい選手が率先して球出しをしてくれるのはありがたいのですが、そういう選手にしわ寄せがいくようなチームにはしたくないからです。
 
 一度に打つ回数、グループの入れ替えのタイミングは、ボールの数によって変え、ボールが少なくなったころにちょうど交替、というふうにすれば効率も良くなります。
 
 また、右利き・左利きに差が生じるようなメニューも作りません。
 
 よくあるのは「回り込みフォア」の練習。
 
 右利きにとって回り込んでフォアハンドで打つような練習でも、左利きの選手にとってはただのフォアハンド(笑)。
 
 かといって、左利きの選手のときだけ球出しの方向を変える、というのもかえって効率が悪くなります。
 
 ですので、たとえば、右利きはアド・サイドでは回り込みの練習、デュース・サイドでは普通のフォアハンドの練習、左利きはアドサイドでは普通のフォアハンドの練習、デュースサイドでは回り込みの練習、というふうに左右を分けて考えます。
 
 ある外部コーチのレッスンがあったときは、右利き用の球出ししか設定せず、左利きの選手が意味のある練習が少なかった、ということがありました。
 
 うちのチームでは、毎年コンスタントに左利きが入部してくるので、そういうふうなメニューが当たり前。
 
 左利きの選手を指導したことのないコーチは、意外と思いつかないのです。
 
 また、うちのチームではレギュラーチーム、控えチームの区別をあまりしません。
 
 大会が近くなると、どうしても団体メンバーだけの練習時間を設定しますし、最後の大会となれば、3年生中心の練習にもします。
 
 また初心者の1年生をいきなり2,3年生の練習に混ぜるなんてこともありませんが(笑)、ある程度、みんなが打てるようになったら、ほとんどのメニューは全員同じように取り組みます。
 
 もちろん、人それぞれレベルは違いますから、選手に求める技術や結果は異なります。
 
 したがって、同じようなショットでも、1年生なら褒めるけど、3年生は褒めない、ってことはよくあります。
 
 また、わざと僕が球出しをして、上級者にはわざと難しい球出しをする、ってことはしますが、基本メニューは常に同じです。
 
 レギュラーチーム、控えチームを作ることでチームに緊張感を生み、チーム力を挙げていく、という手法もあるにはありますが、僕は苦手なのでやりません(笑)。
 
 ただ、この公平性のおかげで、チーム全体の底上げにつながっている、ということを重視するかどうか、ということなのです。
 
【次回へ続く】