部活動で球出しのメニューを考えるときに、考慮しなければならないことがいくつかあります。
 

1.効率が良い

 これはすごく大切ですよね。
 
 そもそも「球出し」とは、ただのラリーや試合形式を繰り返すだけでは習得しきれない技術を、効率よくみんなで練習することを目的としているのですから。
 
 特に意識するのは、ただ単に「打つ回数」だけではなく、「待ち時間とのバランス」です。
 
 1対1のプライベートレッスンならばいざ知らず、部活動などのチームで球出しをするのであれば、自然と「順番」に打つことになります。
 
 どのような形であれ「待つ」時間が必ず生じるわけです。
 
「待ち時間」が増えると、単純に考えて、時間内での「打つ回数」「打っている時間」が少なくなるわけですし、どうしても選手の集中力が切れて、全体的にダラーーーーっとした雰囲気になってしまいます。
 
 スクールなどでは、コーチ1人で球出し、ということも多いようですが、うちは基本2人で球出しをし、左右に分かれて2列で打ちます。
 
 うちのチームでは、代々、上級生が球出しを担当することになります。
 
 6月の春季総体が終わると3年生は引退してしまうので、この春休みぐらいから、新2年生も球出しの練習を始め、6月にはしっかりとできるようにする、という感じです。
 
 顧問を始めた当初、生徒の球出しの技術があまりにも低すぎて、打つグループは2列に分けて、僕が反対コートの中央から左右交互に次々球出しをする、というスタイルを取っていたときもありましたが(笑)、そうなると生徒に技術面を指導しにくくなります。
 
 少なくとも身振り手振りで教える、ってことをやっていると練習が滞ってしまいます。
 
 ある程度フォームが仕上がっているジュニア選手相手の練習であれば、球筋だけの指導で済みますが、高校部活動の場合、初心者にフォームを一から教えなければならないことも多いので、選手に球出しをしてもらうほうが圧倒的にいいのです。
 
 打つグループは3人ずつが左右に分かれて、右の列で打ったら次は左の列に並ぶ、というふうに移動していけば、それほど待ち時間を感じずにすみます。
 
 なので、打つグループで6人ぐらいが限界。
 
 球出し・球拾いのグループと交代するとすれば、だいたい1コートに12人ぐらいとなります。
 
 僕の感覚で言えば、1コートにつき、12人を超えると、一気に効率が低下する感覚があります。
 
 これより多いときなどは、もう、我慢ですね(笑)。
 
 また、生徒の球出しの技術も完璧ではないので、球出しをミスしたらやり直しOKにしているため、やり直しを何回もやって効率が落ちるってことはよくあります(笑)。
 
 ちなみに、メニューそのものを少しハードなものにすれば、選手も、待ち時間や球拾いの時間を「休憩時間」として認識してくれて、待つことそのものへの不満も少なくなりますし、順番を待っている間に、一人一人に技術指導をしてあげることも可能になります。
 
 他のチームなどでは、球拾い・球集めをダッシュで行わないといけないところもあるのですが、うちのチームはやりません。
 
「球拾い・球集め」の時間は「休憩」だからです。
 
 球拾いの間の水分補給も自由にしたりすることで、休憩時間の短縮にもつながります。
 
【次回へ続く】