(3) 人間模様

 もう、僕なんかは、インタビューやニュース記事、そしてそのプレイを見て泣いてしまうことが多いのです(笑)。
 
 今回のオリンピック中継でも、何回泣かされたことか。
 
 たとえば、女子カーリングの日本代表チーム。
 
 創設に関わる話を知っていたこともあって、インタビューで吉田選手が泣いていたり、メダル獲得で本橋選手が泣いているのを見て、もらい泣きするっていう(笑)。
 
 中部電力でスキップとして活躍しながら、自分のプレイに限界を感じていた藤沢選手。
 
 ソチ五輪で、北海道銀行チームのリザーブとして参加しながら、インフルエンザにかかった小笠原選手の代わりに出場する機会を得、一躍脚光を浴びながらも、その大会終了直後に戦力外通告を受け、自分探しの旅までしていた吉田治選手。
 
 2度のオリンピックに出場しながら、自分の思い描く理想のチームを作りたくて、故郷の常呂町でチームを立ち上げた本橋選手。
 
「オリンピックじゃないんだよなぁ。長く地元に根付いたチームにして欲しい」
 
 っていう地元のスポンサー企業の方の声に励まされたそうです。
 
 それに、スピードスケートの小平選手。
 
 亡き友人の分まで走った今大会。
 
 さらにライバルとの友情。
 
 コーチとの二人三脚。
 
 どれをとっても泣いて泣いてしょうがなかった(笑)。
 
 高木姉妹も、過去2大会は、どちらか一方しか出られず、つらかったはずの家族への感謝の言葉を聞いたときは、感動でしたね。
 
 スノーボードで、思った成績が残せなかった鬼塚選手。
 
 これもまたネットニュースのコメント欄には、
 
「風のせいにするな」
 
 とかいう意見もあったんだけど、それはもう、それこそスポーツをやってきたことのないヤツの意見。
 
 オリンピックに出てくる選手は、苦しい練習にも耐え、家族や仲間の支援や応援を肌で感じて、それに必死で応えようとしている。
 
 それが、自分の思ったパフォーマンスを出せないまま終わってしまった悔しさに思いがいたらないやつに、スポーツを見る資格はないのです。
 
 スポーツ観戦は「選手の最高のパフォーマンスの競い合い」を見たいのですから。
 
 暴風が吹き荒れるなか、蹴ったボールがただただ流されるサッカーを誰が見たいですか?
 
 打ったショットがエアコンの風で戻ってくるバドミントン、「同じ条件だろ」って片付けて、納得できますか?
 
 向かい風で全然遅くなった100m走、それがホントに世界の俊足を決める大会として、歴史に残りますか?
 
 冬の競技だって一緒なのです。
 
「冬」=「天候が悪い」=「それぐらい覚悟しておけよ」みたいな、単純な思考しか持っていないやつは、オリンピックのような人間模様を映し出す祭典を、楽しめないまま一生過ごしていけ!(笑)
 
【次回へ続く】