まえやんさんから次のようなご質問を受けながら(Yahoo!ブログ当時)、なかなか時間を作ることができず、返答が遅れてしまいました。
 
テニス歴も1年8ヶ月に成り、フォワも片手バックもファーストサーブも人並みに打てるようになったのですが、今一つセカンドサーブが上達しません。
 
 グリップはコンチですが回転量が少ないように感じ回転を意識すると、手打ちに成りサーブ全体が悪く成ってきます。
 
 スピードボールを打っている時はナチュラルな回転が掛り、そこそこコートに収まるのですがイザセカンドと成ると、回転が掛らず、オーバーが多く成って、嫌がるとネットの繰り返しをします。
 
 あまりファーストとイメージを変えずに多く回転を掛けるコツなどあればご教授願えれば幸いです。
 
 まず、僕のサーブの打ち分けについての考え方をまとめながら、技術的なことをお話しできれば、と思います。
 
 僕の場合、実際のゲームでのサーブは、1stは、フラット、スピン(調子が良ければキックになっているはず)、スライスを打ち分けます。
 
 2ndは、スピンサーブ(これも、調子が良ければキック…のはず)です。
 
 その上で、「サーブの原理」シリーズでお話しした体全体の使い方は、1stと2ndでは大きな違いはありません
 
 これは「サーブでのラケットの軌道」シリーズでお話ししたこともあります。
 
 四年前の記事ですので、まだお読みでない方は、お読みください。
 
 下の図は、そのときに利用したサーブの画像です。
 
 それぞれの球種での、ラケットの軌道をトレースしたものです。
 
イメージ 1
 
 画像では分かりづらいのですが、実は、ラケットの動きそのものは、立体的に見るとほぼ違いはありません
 
 まあ、細かくラケット面の動きを見ると違いがあるのですが……それは後述。
 
 大切なのは、上半身の体軸の傾きと、体軸→ターゲット方向に対するラケット軌道の振り出し角度です。
 
 回転系のサーブについて、ラケットの振り出し角度は「体軸→ターゲット方向」に対して斜めになります。
 
 フラットは「体軸→ターゲット方向」に対して、その角度が小さくなる。
 
 フラットと回転系のサーブの打ち分けは、これだけなのです。
 
 腕全体、体全体での原理は変えません。
 
 回転系内でのスピンとスライスの打ち分けは、体軸の傾きだけ。
 
 よく「フラットは後ろから前に振り出し、スピンは頭の後ろからこすりあげるようにラケットを振り上げる」なんて言う人がいますが、僕的には、感覚的に全く分かりません(笑)。
 
 ましてや、グリップの握りを大きく変えたり、肘の位置を変えたり、下半身の動きを変えたり、なんていう意識は皆無です。
 
 サーブによって打ち方が大きく変わる、なんてことはないのです。
 
 生徒でも、やはり実力がなくて「伸びない」生徒は、ファーストとセカンドの打ち方が大きく変わってしまう生徒です。
 
 まず、1stサーブとして、全体的な動きを同じにすることを意識しながら、フラット、スピン、スライスを打ち分ける練習をおすすめします。
 
 このとき、腕の振り出し角度の調節は、上半身の回転(ひねり戻し)速度によって調節します。
 
 腕の振りそのものは変えないのです。
 
 上半身が前方に向く回転を抑えることで、腕の振り出し方向が斜めになります。
 
 そのためには、右利きの場合、右足の蹴り上げを後ろ方向ではなくて斜め~横方向になりますし、左手の引きつけ方も変わってきます。
 
 よくサーブの教本などで「横を向いたまま打とう」などと書かれているのは、このことなのです。
 
 ただこれは「1stと2ndは全く別物」と考えている人にとっては、よりいっそう深刻な1stと2ndとの「格差」を生み出す原因となってしまいますので注意してください。
 
【次回へ続く】