さて、久しぶりの更新です。
 
 練習メニューの組み方について。
 
 練習メニューの観点ですごく基本的なものは次の2つ。
 

1.フォームの習得、修正

2.フットワークやスタンスなどの選択の訓練

 
 この2つを観点においた場合は、手出しの球を打つメニューが基本となります。
 
 ネットを挟んで、ラケットで出しても良いのですが、それは球出しなれたコーチで無ければ無理です。
 
 うちのチームのように、選手どうしが球出しをしあう場面が多いときには、手出しのほうが「無難」ということになります。
 
 決まったところに、決まった速さでボールを出しやすいからです。
 
 また、手出しの球出しであれば、1つのコート内で2カ所ぐらいは可能ですから、練習のテンポを上げるときにも使えます。
 
 手出しのときの注意点は、ショットの質にはこだわらないことです。
 
 ショットは、相手のボールをはじき返すように打ちます。
 
 したがって、相手ショットにスピードがあることでこちらのショットも速くなる、ということもあるからです。
 
 この手出しのときにこそ、ゆったりしたフォームで、正確に打てることを意識しないといけません。
 
 鋭いショットを狙って力んでいては、フォームの修正どころではありませんから。
 
 特に初心者にフォームを教えるときには、この練習をどれだけ我慢してできるかにかかっていると思います。
 
 すぐにロングボールを打とうとすると、まともなフォームが身につきません。
 
 長いテニス経験者のなかにも、フォームが汚い人がいますが、そういう人はたいがい、仲間内のサークルなど、体系だった球出しの練習をしてこなかった人です。
 
 テニススクールでも、お金を取っている以上、あまり手出しの球出しばかりさせるわけにもいかず、「テニスをしている!」と実感できるような練習に飛びつきやすいため、いざ中級以上になるときに伸び悩む、ということも多いわけです。
 
 その点、高校でテニスを始めた選手で、しっかりと指導ができる顧問が就いているチームは、強い弱いは別にして(笑)、「汚いフォーム」の選手はあまりいません。
 
 特に女子は。
 
 男子はすぐに顧問の目を盗んでバコバコ打ちたがるのでダメですが(笑)。
 
 特に僕は、初心者に教える場合、ダブルステップから教えます。
 
 縦方向にサイドステップして、スクエアで打つところから、ということです。
 
「スタンスの使い分け」シリーズでもお話ししましたが、前方向への移動では、スクエアスタンスになることが多い。
 
 そしてそのためには打つ直前でサイドステップを入れることになる。
 
 そのため、そこから教えます。
 
 ネット近くで小さく出したボールを、サービスラインぐらいから前進してステップを踏んで、ラケットでチョコンと当てる、という練習からするのです。
 
 自分の走力とボールとの距離感、そして、ラケットに当たる瞬間にダブルステップを踏む、ということから始めるわけです。
 
 スウィングからは教えません。
 
 うちのチームのように、運動神経が普通の女子高校生並しかない選手に、脚を踏ん張った状態でのスウィングから教えると、絶対にステップを踏めないようになってしまうからです。
 
 ソフトテニス経験者がそれです。
 
 よくあるのは、正面を向いて細かく脚を踏みならすようにする「ハーキー」の後、体を反転させてスウィング、という練習ですが、僕はそれでは足りないと思っています。
 
 次回は、手出しのメニューを中心に、具体的な練習メニューを、図とともにご紹介します。
 
【次回へ続く】