あけましておめでとうございます。
 
 年末から正月にかけてバタバタしておりました。
 
 ブログの記事も、思いついたら書く、というペースでやらせていただいたほうが、長く続きそう、というふうに思えるようになりました。
 
 今後とも、末永くよろしくお願いいたします。
 

 
 さて、今回、質問のメールをいただきまして、それについてお話したいと思います。
 
 メールの内容(差出人のお名前はAさん、としましょう)をまとめると次の通りです。
 
 

1.女子選手のサーブのフォームはプロでも体が開きすぎ腕を伸ばしすぎで、インパクトの瞬間にゼロポジションになっていないものばかりに見受けらる。これでは無駄に力を使っているし、肩を故障するのではないかと心配してしまう。

 
2.ただ、プロ選手でも出来ていないので、女子の筋力では理想的なフォームでサーブを打つのは無理かとも思える。
 
3.そこで、女子選手に対しては、どのようなサーブの打ち方(フォーム)を教えるのがよいのだろうか?
 
 とのことです。
 
 確かに、難しい問題ですね。
 
 これも、一つ一つ検証していきましょう。
 
 まず「1.プロでも女子ではできていない選手がいる」というお話。
 
 これはおっしゃるとおりですね。
 
 もちろん、雑誌に紹介されるようなトップ選手には少ないですが、たまにテレビで放映される大会の1回戦ぐらいだとよく見かけます。
 
 特に多いのは、Aさんがおっしゃるようなカラダの開きが早いタイプ。
 
 これは、大胸筋の発達しにくい女性にとってはしようがない。
 
 みんながセリーナなのようなカラダにするわけにいきませんからね(笑)。
 
 ただ「2.女子の筋力では無理?」ということはない──はずなのですが、これが少し難しい。
 
 サーブは女子を指導していく中でも、やはり難しい部類の技術です。
 
 もっとも差が出やすい、と言って良いと思います。
 
 ですから、ジュニアから経験している選手のサーブは非常に良いのですが、ここにもポイントがあります。
 
 体が小さく、筋力が整っていないうちに、サーブの「スピード」を求めると、カラダを開いた打ち方になりやすいのです。
 
 体全体を使ったフォームを習得しようと、または習得させようとするあまりに、スウィングが大きくなりすぎ、カラダの開きとのタイミングがズレてしまう。
 
 そういう選手は、打点も少し前方気味になったり、前のめりで打つことも多くなります。
 
 おそらく女子のプロ選手の多くは、幼い頃からトップトーナメントで戦ってきたわけで、そのために自分自身もそして大人たちも速いサーブを求めた結果、カラダの開きが早いフォームになってしまうことが多いのではないか、と思うのです。
 
 ストロークならば一般的なトレーニングで鍛えられる筋肉で何とかなるものも、サーブはやはり、局所的な筋力が結構必要なショットなのです。
 
 たとえば、現在のうちのチームでサーブが上手く打てている選手は、
 
・バドミントン経験者
・ジュニア時代に全然勝てなかった選手
・ソフトテニス時代、中途半端な指導をかえってされなかった選手
 
 などの共通点があります。
 
 一番は、やはりバドミントン経験者です。
 
 バドミントンのラケットやシャトルは非常に軽いために、キレイなゼロポジションで無理なく打つ感覚を、小さい頃に習得できるうえに、ラケットを薄く持つ感覚を持っているため、テニスラケットになっても違和感が少ない。
 
 ジュニアを経験している選手も、小さい頃からスピードを求めるような指導を受けてきた選手は、もちろん高校から始めた選手に比べれば抜群に上手いですが、前述したような、肩を壊しそうな打ち方をします。
 
 ソフトテニスを経験した選手の一番のネックは、厚いグリップです。
 
 僕もソフトテニス経験者ではあるのですが、実はサーブについては、薄い握りで打つように指導されていました。
 
 硬式テニスやっていた先生が顧問であったからだとは思うのですが、それが高校に入ってからすごく役に立ちました。
 
 うちの高校がある地元の中学校では、すこし間違った理論で教えられた生徒もいたりして、高校に入ってから、フォームを完璧に直せるのは、3,4人に1人、という感じでしょうか。
 
 サーブそのものは「女子の筋力では無理」というものではありません。
 
 正しく体を動かせられれば、無駄な筋力は必要ないほどですから。
 
 ただストロークに比べると、日常生活だけでは鍛えきれない局所的な筋力が必要がある、とは言えると思います。
 
【次回へ続く】