練習メニューを考えるとき、その練習によって何を鍛えたり、何を習得したりできるのか、という観点が欠かせません。
1.フォームの習得、修正
2.フットワークやスタンスなどの選択の訓練
3.状況判断の訓練
4.戦術・戦略に関する練習
5.フィジカルを鍛える練習
などいろいろです。
もちろん、1~5までの観点を全て盛り込んだ練習があればやりたいのですが、そんな都合の良い練習を思いつけるはずもなく(笑)。
まあ、2つぐらいを組み合わせることは可能かも知れません。
僕自身、飽き性なので、練習メニューは毎日違います。
高校や中学校でスポーツを経験したことのある方や、スポーツ指導をした方だと分かっていただけると思いますが、本当の基礎練習を毎日繰り返しできるのは、かなり意識の高い選手です。
正直に申し上げれば、うちのチームは学校内で言えば、生徒の「受け皿」的な役割を果たしているチームです。
授業と同じで、同じことをただひたすら繰り返す、という練習はそぐわないのです。
ただ、ラリーやゲームをやっていても全く上手くなりません。
基礎練習でありながらも、上の1~5のように観点を変え、またいろいろなアプローチをして言ったり、一つの練習を少しずつバージョンアップしていくような内容にしないと、生徒の集中力も持たず、結果的に練習効率も悪くなってしまいます。
また、選手のレベルに合わせた練習、っていうも非常に難しい。
テニススクールなどであれば、レベルごとにクラスを替えたりできるでしょうし、プライベートレッスンであれば、その選手に合わせたメニューを考えればいい。
ですが、部活動などは少し違います。
全員が同じメニューをこなすからこそ生まれる団結感があるからです。
もちろん、人それぞれに対する指導は変わりますし、求める結果も変わります。
が、メニューはほとんど一緒なのです。
大会が近くなり、出場メンバーが固まると、出場メンバーを中心とした練習が増えますが、それでも、残りの選手は球拾い、みたいな極端なことはしませんし(笑)、時間的にも全体の半分ぐらい、というところでしょうか。
それ以外の時には、うちのチームではAチーム・Bチームとか一軍・二軍みたいな分け方もほとんどしません。
だからこそ、メニューの設定が難しい。
全員がそれなりに取り組むことができ、上手い選手も手応えがあるもの、というビミョーな「難易度」を設定する必要があるからです。
また、指導者が僕1人のため、選手同士で球出しをさせることが多い、と言いましたが、球出しの難易度も考えなければならない。
生徒では、それほど正確で難易度の高い球出しはできないからです。
回数もそうですね。
あまり少ないと何も得ないまま次のメニューに切り替わる、ということになりかねませんし、打てる選手には物足りない。
かといって同じメニューをただただ繰り返しても、先ほども言ったとおり、だらけてしまうだけですから。
この「観点の設定」と「難易度設定」が、ある意味、コーチとしての練習メニュー計画の醍醐味とも言えると思うのです。
【次回へ続く】