練習メニューにおいては、できうる限りの「機会均等」を計ります。

 
 もちろんメニューによっては、上手い選手のほうが何回も打てたりするものもあるのですが。
 
 ただ、多くのメニューに関しては、打つ回数などを同じにすることがほとんどです。
 
 また、時間で区切るメニューでも、タイマーがなった時点から、切りの良いところまでメニューは続け、全員が同じ回数打てるようにしています。
 
 たとえば、サーブの練習などでは、サーバーは持ち玉の数を決めておきます。
 
 通常は2本。
 
 ただし、レットの場合は打ち直しをする、というルールなので、3個は常に持っているようにします。
 
 左右1列ずつで順番に入り、サーバーは右で打った後は左の列の後方に並ぶ、という感じです。
 
 レシーバーは、各サイドに1人ずつ入り、相手サーバーの2本のうち、1本でも入れば交替、というふうにしています。
 
 ダブルフォルトはもう一度、次のサーバーを打てます。
 
 残りのレシーバーは、後ろに1列で並び、空いたサイドに次々入ります。
 
 これだと同じサイドが何回も続くことがありますが、その場合は本人の判断で、後ろの人を先に入れさせることも可、です。
 
 サーバーもレシーバーも偶数だと、同じ人物と毎回あたる、ということになってしまうので、わざと奇数にするために僕が入ることもあります。
 
 ただ、実際には、うちの選手はそれほど上手くなく、ダブルフォルトを連発するので、自然と巡り合わせはズレていきます(笑)。
 
 通常は時間でサーブ・レシーブを交替しますが、スタート時点での列の最後尾の人を覚えておいて、ブザーが鳴ってもその人が打ち終わるまで、という感じにすると、全員の打つ機会は同じになります。
 
 ボレーやストロークの練習などでは「3本ずつを左右3周りずつ」というふうに、回数制限が基本です。
 
 ただし、球出しが悪いときにはやり直しをさせます。
 
 あらかじめ、ここまでの球出しのズレならOKで、どうなったら打ち直し、という基準を決めておくと、練習プレイヤーも納得した練習ができます。
 
 ストロークやボレーの練習で大切なのが、フォア、バックのバランスです。
 
 基本的にはフォア・バックも均等になるようなメニューにします。
 
 漫然とした球出しだと、自分の好きな方のショットだけになってしまいますから。
 
 ただ、決めに行くショットやスマッシュなどは、練習の目的に合わせます。
 
 たとえば、本当に「決めに行く」ことを目的とした練習であれば、選手それぞれが打ちやすいほうで打たせます。
 
 苦手な方でしか打てない状況なのにわざわざ「決めに行く」こと自体が、判断として間違っていることがあるからです。
 
 また逆に「苦手な方でも打てるようにする」ということを目的にするのであれば、バックハンドスマッシュなどを練習させることになるわけです。
 
【次回へ続く】