テニス競技の特徴の一つとして「セルフジャッジ」があります。
 
 審判をつけずに、選手自身がお互いに自分のコート内で生じた事実内容についてジャッジメントをつける、というものです。
 
 他の競技でも、練習ではやるのかもしれませんが、テニスの場合、ジュニア大会という協会主催の公式戦で行います。
 
 ゴルフでは、自分のスコアは自己申告ですが、それとはちょっと違いますからね。
 
 普段の練習からも、セルフジャッジの練習をしなければなかなかできるものではありません。
 
 Yahoo!知恵袋でも、セルフジャッジについて、たびたび質問がされます。
 
 今回は、その中で気になったものを少しご紹介します。
 
 そのうちの1つは、僕が答えておきながら、ちょっと間違ってしまったやつなのですが、訂正することもできず(笑)、ここで言い訳をさせていただこうというわけです。
 
 まずは1つ目、この質問です。
 
 
 内容は、
 
セルフジャッジのとき、質問者さんのジャッジを不満に思った相手が、ボールマークの確認のために、こちらのコートにまで入ってきた。
 
 これはどのようなルールで警告などを出すことができるのだろうか」
 
 というものでした。
 
 質問者さん自身もご存じではあるのですが、ボールマークチェック、正式にはボールマークインスペクション(以下、BMI)とは、クレーコートでのみ適応されるルールで、イン・アウトの判定の際、コート上に残ったボールマークをチェックすることができる、というルールです。
 
 プレイヤーがBMIを要求できるのは、チェアアンパイアが正確に判定できなかったとき、またはプレイヤーがプレイを停止したときのみです。
 
 つまり、審判がしっかりと自信があるときはダメですし、ラリーが何回か続いてポイントが終わった後に、
 
「3球目のボール、アウトだったでしょ?」
 
 と言ってBMIを要求するのはダメ、っていうことになります。
 
 全仏オープンでもたびたび見られる光景ですね。
 
 ダブルスなんかで難しいのは、たとえば、サーブのフォルトの判定のとき、レシーバー側の前衛は、目の前の判定が間違いだと気づいても、リターンを行う後衛がそれに気づかずにラリーを続けてしまった場合、無効です。
 
 ルールブックにも「正しいやり方でアピールがされたかどうか最初に判断しなければならない」と書いてあるぐらいです。
 
 そして、その項目の最後に、次のように書かれています。
 
プレイヤーはボールマーク調査をする目的でネットを越えてはならない。ネットを越えた場合は、スポーツマンシップに反する行為として、プレイヤー倫理規定違反となる
 
 コードバイオレーションと判断され、警告を受けることがあるわけです。
 
 で、僕もそのように回答したのですが、実はちょっとした間違いがありました。
 
 同じルール上で「チェアアンパイアがつかない試合方法」として、セルフジャッジのやり方が書いてあるのですが、その中に、
 
6)
 クレーコートでは、相手プレイヤー・チームにボールマークの確認を要求できる。
 
 必要であれば、相手コートへ行ってボールマークを見ても良い
 
 相手と判定が食い違った場合はレフェリーが最終判定する。
 
 両者が示すボールマークの位置が食い違う場合、あるいは点検できるほどのマークが残っていない場合は最初のコールが成立する。
 
 ただし、必要以上にBMIを申し出るプレイヤーには、レフェリーが適切な処置を取る場合がある。
 
 クレーコート以外はボールマークのチェックを行うことはできない
 
 とあるのです。
 
 もちろん、オムニコートでBMIができないことは変わりないのですが、クレーコートでのセルフジャッジの場合は、相手コートに行って、確認することが可能なのです。
 
 いやぁ、本当に勉強不足でした。
 
 チェアアンパイアがついているときに相手コートに入っていけないのは、アンパイアに対する侮辱行為、ということなのでしょうね。
 
 回答者の中で、誰も分かってないという珍事になってしまい、質問者さんには間違った知識を披露する形になってしまいました。
 
 ちょい足しアンサーがなぜかできない状態で、訂正することも叶わず。
 
 今度から、気をつけようと思います。
 
 みなさんもぜひ、クレーコートで試合をするときなどはルールブックを片手に、相手プレイヤーと協力をしながら、スムーズな試合進行を目指しましょう
 
【次回へ続く】