6.ポイント間、エンドチェンジ中
自分であろうと相手であろうと、テニスはどちらかにポイントが入ります。
レットの状況になり、ラリーが中断することはありますが(笑)、なんの区切りもないまま次のポイントに移行することは絶対にあり得ない。
それこそがインターバルのあるスポーツの特徴です。
そしてこのときに、再び、注意集中を「広くて内的」なものにし、先ほどのポイントを振り返るのです。
ここで大切なのは、客観的な事実だけを想起すること。
「ああしておけば良かった」「こうしておけば良かった」などという仮定を考え始めると止まりません。
「今度は、こう打とう」「次は、こうしてみよう」というプランに置き換えるのです。
必要であれば、ゲームプランを変更することもやぶさかではありませんし、ダブルスであれば、お互いのイメージの共有をここで図るべきなのです。
そして、ここからは、3.~6.の繰り返しとなります。
これが注意集中の切り替え、となります。
これは普段の練習から取り組まなければ、まずできないことです。
スクールや部活動などで、球出しの待ち時間に、練習と関係のないことをクチャクチャおしゃべりしているプレイヤーにはまず不可能です(笑)
この注意集中の切り替えをやっていると、自然と「1本だけに集中する」ということもできるようになります。
一般的に、ポイントを失ったときに「切り替えていこう」という声かけをしたり、自分に言い聞かせたりもしますが、これも、この注意集中ができていれば大丈夫のはずなのです。
もちろん、注意集中の切り替えそのものが難しいのですがね(笑)。
「気持ちを切り替えよう」
というふうに考えても、それはなかなかに難しいなのですが、注意集中の対象を「広い」「狭い」「内的」「外的」として、それを的確に切り替えていくことに慣れてくると、気持ちの切り替え、というものが、結局はずっと「内的」なことにとらわれているに過ぎないことに気づきます。
いくら「積極的な気持ち」を持てたからといって、
「次は必ずこうしよう」
などと「思っている」時点で、常に内向きな思考に陥っているわけです。
だからこそ、この「注意集中の切り替え」という考え方が重要なのです。
みなさんもぜひ、試合の流れの中で自分が今「広く」物事をとらえているのか、また「広すぎて」、雑音が入っているのではないか、内的な思考にとどまってしまっているのではないか、外的なことばかりが気になり、振り返りができていないのではないか──など、注意集中の切り替えについて、意識して見てください。
【次回へ続く】