「対並行陣 戦術」の4つ目は、前衛アタックです。
 
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 前衛、というよりは、ストレート側のプレイヤーへのボディーショットですね。
 
 クロス側のプレイヤーだと、距離が長いので余裕がありますから。
 
 図では、ベースライン付近からのショットになっていますが、本来はもっと前からのショットが理想です。
 
 ベースライン付近からこれが成功する人は、そうそういないと思います。
 
 これも、高さを低く、速く
 
 真正面でなければカウンターを食らう可能性がありますので、気をつけてください。
 
 これも、この1本で決めようとすると、無駄に力んだショットになってしまいます。
 
「次からもボディーショットが来るかも知れない」
 
 と思わせることを最大の目的としないとダメだと思います。
 

 
 ただ、この戦術は、生徒には教えはしますが、推奨はしません
 
 下手な選手同士がやるとケガをするからです。
 
「試合中、ゲーム中のことだから、正当なプレイだ。ケガをしてもこちらは悪くない
 
 なんていう、人間のクズを育てるつもりはないので(笑)。
 
 前衛アタックをするときには、サービスエリアに足がかかるぐらいから、弱いショットを打たせます
 
 距離が近いためにコースを狙いやすく、タイミングが早いために相手も取りにくく、ショット自身はそれほど速くしなくてもよいので、ケガの心配も少ないからです。
 
 もちろん、前衛へのボディーアタックそのものは、ルール内で許容される正当なプレイです。
 
 それで相手がケガをしても、こちらに落ち度があるわけではないでしょう。
 
 が、それが「相手がケガをしてもしょうがない」という考えになるような選手にだけは、ぜっっっったいに育てたくありません
 
 そんな人間のクズを育てるぐらいなら、弱い選手のほうがマシです。
 
 そんな教え方をすることそのものが、コーチとしてというより、人間として失格だと思います。
 
 戦術として教えることと、その戦術で相手がケガをすることを許容することは全く違うのです。
 
 そんなことを平気でやるようにならなければ勝てないような選手は、結局、弱い選手でしかありません。
 
 他にもいろんな手があるんですから。
 
 スマッシュなども同様です。
 
 相手を狙えばもちろんポイントを取ることはできるかもしれませんが、それでケガをしても「当たる方が自業自得」なんて胸を張るようなクズに、僕はリアルでは会ったことがありません
 
 ネットの中には、そういうクズがいるみたいですがね(笑)。
 
 僕の周りには──僕が顧問を務めるうちのチームや他校の高校生たち、顧問の先生方には、そんなクズのようなテニスプレイヤーはいないのです。
 
 日本のどこかでは、そんなやつがテニスをしてるかと思うだけでも胸くそが悪くなる(笑)。
 
 当ててしまったことと、当ててしまっても平気でいることの間には、大きな格差があります。
 
 相手に当たらない、でも相手に取られにくいところにピンポイントでスマッシュを打てない選手など、相手に向かってスマッシュを打つ資格がないのです。
 
 たぶん、そういう考え方ができない人は、「仲間」とスポーツをしたことのない人ではないでしょうか?
 
 対戦相手さえも「仲間」だと思えるような出会いをしたことのない人ではないでしょうか?
 
 特に、高校生をはじめとした若い選手の皆さん。
 
 相手のショットが当たったときには、
 
「プレイ中なんだから気にすることない」
 
 と相手を許し、自分のショットが当たったときには、
 
「ごめんなさい」
 
 と謝れるような、そんな選手になりましょう。
 
【次回へ続く】