クロス側プレイヤーの後方にロブを打たれた場合はどうでしょうか。
この場合、うちのチームではそのままクロス側のプレイヤーが下がるように指導しています。
チームによっては、お互いのペアの後ろはもう一方のペアがカバーする、というふうに決めているところもありますが、うちはそれをすると、どっちにロブを上げられてもポジショニングが崩れる可能性が出てしまうので「後方カバーはクロス側プレイヤー」っていうふうに、できるだけシンプルになるように決めてしまっています。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190603/21/dasadasacoach/db/e6/p/o0500072214422153089.png?caw=800)
特に、図のような状況の場合、ボールはコートの外に逃げていく形になります。
もちろん、どちらのプレイヤーが追いかけても打ちにくい状況ではあるのですが「どちらが早いか」で考えるとやはりクロス側プレイヤー自身が追いかけた方が早い、という判断です。
これは、チーム、ペアによって好き好きがあるかもしれませんね。
僕は、この状況でクロス側プレイヤーが追いかけていっても、クロス・ラリーに戻るだけ、という感覚なのでイーブンかな、と思うのです。
もちろん、ロブがそれほど長くなければ再びネットダッシュして並行陣にし直す、ということも可能ですしね。
1つ特殊なものをあげるとすれば、こちらの並行陣が崩れたときのことも考えておかないといけません。
以前、オーソドックス型の場合、クロス方向のプレイヤーは心持ち後ろにポジショニングをするんだ、ということはお話ししました。
が、相手ペアがサイドポジションのチェンジをしたりした場面で、こちらの一歩引いているプレイヤーの正面に、相手後衛が来るときがあるんです。
もちろん、その瞬間に、こちらの並行陣は前後のポジションを入れ替えなければならないのですが、ボールだけを目で追っていると、そこまで頭が回らないときはよくあります。
その状態は明らかに並行陣ペアの「ミス」です。
相手後衛はそのミスを突いて、クロス側にロブをあげることがあります。
クロス側のプレイヤーが前掛かりになっており、パッシング・ロブが決まりやすいからです。
このときの判断は難しい。
「クロスのロブは、クロス側のプレイヤーが追いかける」というのを杓子定規に当てはめても良いのですが、前掛かりになったプレイヤーが追いかけられる範囲には、限度というものがあります。
かといって、後ろ寄りのプレイヤーがカバーに行っても、ボールはどうしても逃げていきますし、追いかけた上でかつ角度をつけてクロスに返さないと行けないわけですから非常に難しい。
後ろよりのプレイヤーがカバーできるかどうかにかかっているので、後ろよりのプレイヤーが判断し声かけをしましょう。
基本的に、並行陣でパッシング・ロブを打たれて下がらされていること自体、並行陣としては「負け」です。
本来は、このようなロブを打たれないような、またはロブは打たれてもスマッシュが打てるぐらい短くなるような、組み立てをこちらからしていかなければなりません。
左右に走らせながらのプレーを相手に強いる、速く、強いアプローチやボレーを狙っていかなければならない。
何度も言っていますが(笑)、そして、あくまでも昔と比べてということになりますが(笑)、現代テニスでは一般プレイヤーのストローク力が格段に高くなっています。
足を止めた状態だと、一定の技術さえあれば、かなり良いショットを打てるプレイヤーが多い。
まずは相手後衛を動かすこと。
これをしっかりと頭に入れながら、それでも打たれてしまったときの対処を、しっかりとペアで話し合っておきましょう。
【次回へ続く】