前回の並行陣での守備範囲をもとに、後方のカバーについて検討したいと思います。
 
 本来、並行陣は左右分担が基本ではあるのですが、なかなか現実にはそうはいきません。
 
 ペア2人ともが同等の高い技術をもつ、なんていうことがないからです。
 
 特にウィークエンドプレイヤーや高校レベルだと、チーム内での個人レベルの差が大きいですからね。
 
 オーソドックス型の場合、基本的にはクロス方向が少し下がり、ストレート方向が少し上がる形になる、というお話は以前しました。
 
 そのため、ストレート側の頭上を越えるロブを打たれた場合、クロス側のプレイヤーがそのカバーを行うことがよくあるのです。
 
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 特に、レベル差の大きいペアで、クロス側のプレイヤーが上級者だった場合は、こちらのほうを選択することが多くあると思います。
 
 当たり前ではありますが、どこからどこまでを「任せる」のか、というのは大きな問題です。
 
 ロブが上がったらとりあえず任せる、というのでは、並行陣にしている意味が無くなってしまいます。
 
 かといって、現実問題として、少し前掛かりなっているストレート側プレイヤーよりも、クロス側プレイヤーがカバーに言った方が取れることは多いわけで、それの見極めは、練習と声かけしかありません。
 
 まず最悪なのは、ストレート側プレイヤーも追いかけ、クロス側プレイヤーもカバーに走り、結局、ストレート側プレイヤーがただただ返すだけの弱々しいハイボレーを打つ、という場面です。
 
 フォーメーションは崩れまくった上に、相手にたたき込まれるようなボールが返ってしまうわけですからね。
 
 これだけは避けないといけない。
 
 早めの判断と声かけ
 
 これしかありません。
 
 そして、クロス側プレイヤーがカバーに入った後も、注意が必要です。
 
 この瞬間、状況としては、ストレート・ラリーになります。
 
 ストレート・ラリーは、雁行陣よりも並行陣のほうがさらに避けるべき状況です。
 
 ストレート・ラリーからのアプローチだと、味方前衛の「援護」が期待しにくいため、シングルスでアプローチ&ボレーをするぐらいの技能が必要です。
 
 同じアプローチエリアでも、かなり前寄りのところでない限りは、ベースラインに下がって雁行陣に戻り、ストローク戦にしたほうが「まだまし」ということがありますので、自分のストローク能力とアプローチ能力を天秤にかけておきましょう。
 
【次回へ続く】