今年の卒業生たちは、今の学校で1年生から指導してきた生徒たちです。
 
 このブログを開始したのも、彼女たちが1年生の時でした。
 
 さらに自分が担任として入った学年でもありましたので、思い入れもあります。
 
 が、以前にも少しお話したとおり、僕は部活動の生徒との普段の学校生活での「距離感」に非常に気を張っています。
 
 もちろん、部活動のときには「仲間」として接していますが、その選手が自分が担任しているクラスの生徒だったりしたときには、クラスでの接し方に細心の注意を払っています。
 
 僕自身が、すべての生徒に好かれているわけではないはずで、クラスの中で彼女たちとの信頼度をアピールしたとき、彼女たちが迷惑を被る可能性がゼロではないからです。
 
 ですから、学年も違い、教科担任も入っていない生徒とのほうが、部活動の延長のまま軽い感じで話せます(笑)。
 
 それと同時に、同じチームでも、学年間での扱いには気をつけます。
 
 例えば、今年の卒業生の学年には1年からクラス担任として入っていましたから、どうしても彼女たちとの距離が近くなりやすい。
 
 ですから逆に、3年生が抜けて1,2年生だけのチームになったとき、できるだけ2年生を「たてる」ような態度で部活では接するようにしていました。
 
 2年生には怒らないような内容でも、1年生には厳しく言い聞かせるときもありました。
 
 それは、自分が担任をしている学年だから、1年生のほうが可愛いに違いない、ということをわずかにも思わせてはいけないと思ったからです。
 
 一度、2年生と食事会を開いたとき、一部の1年生から、
 
「私たちはいつも怒らせているから、上級生になってもそんなことはしてくれないと思う」
 
 と2年生に相談があったらしく。
 
 後日、2年生から「ちゃんとフォローしておきましたよ」と言われました(笑)。
 
 1年次の彼女たちは人数も多く、運動能力も高かったため、数ヶ月もすれば、一部の選手は上級生を追い抜くことが予測できたことも大きい。
 
 僕としては、客観的なデータや経験から選手を選んだつもりでも、普段から「仲の良い」と思われるような選手を選べば、疑念を生んでしまうかも知れません。
 
 それは上級生にとっても、下級生にとっても不幸なことです。
 
 ですからあえて、当時1年生であった彼女たちには、厳しく接する場面が多くなりました。
 
 また、同じ学年の中にも、僕がクラス担任として関わった生徒とそうでない生徒が出てきます。
 
 そうなると、必然的にクラス担任として関わる生徒には、向ける目が厳しくなる(笑)。
 
 特に、1年次にクラス担任をした二人の生徒がいるのですが、彼女たちには可哀想なことをしたと思います。
 
 1年の時には、その2人を褒めた割合が、他の生徒に比べると明らかに少ないと思います。
 
 うち1人は、のちにチームの中心として団体戦などに出場することになる生徒でしたし、もう1人も最後の最後で団体メンバーを勝ち取った生徒です。
 
 これも1年生の時に、自分のクラスの生徒だからと可愛がっていたら、かえって、メンバーとして選びづらかったかも知れません。
 
 特に、前者の生徒は、教員からは誤解を受けやすいタイプなのですが(笑)、僕は非常に好きなタイプの生徒で、ただそれを表に出さないようにしていました。
 
 クラス担任としての面談の時なのに、部活の話によくなりましたし、
 
「うまくなりたいから、みんなとは別に、個人指導ほしい」
 
 と要求してくる選手は初めてでした(笑)。
 
 本当は、めちゃめちゃやってあげたかったのですが(笑)、もちろん前述した理由もあって、
 
「そんなことできるか」
 
 とむげに断ったときは、心の中で申し訳なさに謝っていました。
 
 ただ、この前、彼女のバイト先にたまたま寄ったとき、楽しそうに手を振ってくれた笑顔を見ると、少なくとも顔を見るのもイヤなぐらい嫌われてるわけじゃない、ってことだと思うので、すごく安心します(笑)。
 
 次に担任をするときにも、再び「犠牲者」を増やすことになるのですが(笑)、こちらが一生懸命やっていれば、生徒は必ず分かってくれる、と信じて、やっていこうと思います。