それでは、ミスをしたときの対処のラストです。

 
 ストレート・ラリーで前衛がポーチをミスしたときの対処。
 
 前衛が戻りきれないと判断したときには、クロスへのロブが基本になります。
 
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 逆サイドでストレート・ラリーを構築し直すわけです。
 
 前にも言いましたが、クロスにロブを打っておいて、前衛に戻らせるのは最悪ですから注意してください。
 
 ロブを打ちながら、後衛は逆サイドにダッシュすることになります。
 
 これをすると、前衛の戻る距離がわずかですが短くて済みますし、しっかりとしたロブを打っても、クロスは距離が長いのでアウトになりにくく、またパッシングを打たれる可能性も低くなります。
 
 リスクを上げるとすれば、ロブが短くなったときに、相手前衛にスマッシュやボレーを決められてしまうことです。
 
 相手後衛が足が遅いときやストロークに脅威がないときにも、有効です。
 
 これも、前衛との連携が必要で、後衛の勝手な選択になるとポジショニングがぼろぼろになります。
 
 練習でしっかりと動きを確認しておきましょう。
 
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 さて、いかがでしたでしょうか。
 
 ダラダラやっていたせいで、かなり期間が経ってしまいましたが(笑)。
 
 実は、ダブルスの基本的な戦術論としては、これが最後となります。
 
 戦術論そのものは、あと1シリーズだけあるのですが、それは並行陣や変則的な陣形について論じたいと思っているので、初・中級者にむけての雁行陣の戦術論は、これが最後です。
 
 これまでの戦術をしっかりとマスターできれば、雁行陣どうしの戦いで、ポジショニングによって不利を被ることはまずなくなると思います。
 
 うちの選手は、ほぼ100%、高校から硬式テニスを始める生徒ばかりです。
 
 普通科の進学校ですから、練習時間も少なく、毎日真面目に練習している選手でも、技術の習得はなかなか難しい。
 
 ですから、シングルスではなかなか勝てない生徒が多いのです。
 
 が、それでもダブルスでは、全員が初戦を突破したり、強豪校とも渡り合えたりできるのは、彼女たちがしっかりと戦術を実践しているときです。
 
 ウィークエンドプレイヤーの方々は、どうしても戦術を軽く見てしまいます。
 
 それは、多くの戦術本が、技術とセットになったような言い方しかしてこなかったからです。
 
「まず、サーブをアングルに入れて……」
 
 とか、
 
「ここで強いアプローチをセンターに打ち込み」
 
 とか、
 
「こういうボールは、かならずスマッシュで決めましょう」
 
 とか(笑)。
 
 それができないからこその「初・中級者」なのに。
 
 もちろん、技術を度外視した戦術などはありえないのですが、それでも普通にラリーができるぐらいの技術さえあれば、そして球出しのボレーができるぐらいの技術さえあれば実践できるような戦術を紹介してきたつもりです。
 
 どうぞ、自分なりの戦術と組み合わせながら、楽しくゲームに買っていただけたらな、と思います。