クロス・ラリーから、相手前衛の上を越そうと思ったロブが思いの外短く(または低く)、しかし、相手前衛がそれを空振り(またはギリギリで見逃し)をしてくれたとき、という状況。
この状況に、本当ならば「つけいる」ことができればよいのですが、それはあくまでも、基本やセオリーをしっかりと頭の中に入れた上でのことです。
セオリーを頭の中に入れているからこそ、それと「違う状況」であるかどうかを判断し、対処を変えるわけですから。
この場合、決して忘れてならないことは、相手がミスをしていようと、そして相手がどれだけ慌てていようと、
「ストレート・ラリーになったことには変わりがない」
ということです。
これまで何回も、初・中級者には、ストレート・ラリーは難しいのだ、とお話ししてきました。
初・中級者には、その「危険さ」が分からないからなおさらなんだ、と。
これを忘れてはいけません。
したがって、セオリーはあくまでも「サイド(クロス)を固めて動かない」です。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190603/21/dasadasacoach/37/3d/p/o0500072214422151682.png?caw=800)
面白みのない戦術でしょ?(笑)。
まあ、しょうがない。
このセオリーを守ってこそ、次の「つけこむ」戦術も活きてくるのですから。
特に、初・中級者は、このセオリーをしっかりと守りましょう。
相手ペアは、こういう状況になるとかなり慌てます。
したがって、ミスショットを打ってくれる可能性は十分に高い。
オーソドックスなポジショニングでも、棚ぼたで、打ちやすいボールが飛んでくることがよくあるのです。
だから、ヘタな初級者がヘタに動くよりも、しっかりと相手後衛とボールの動きを見て待ち構えていた方が良い。
相手のショットを見て、甘かったら飛び込んでも遅くありません。
ただ、ストレート・ラリーでの、飛び込んでのボレーは非常に難しいので、よほど余裕があるときだけにしましょう。
図の位置で足を止めてボレーを打てる方が、よほど決まりますからね。
また、相手後衛のなかには、一発逆転を狙うプレイヤーも多い。
単純に、不利な状況からリカバリーできれば、カッコイイからです(笑)。
味方前衛も、相手前衛がミスをしてから慌ててネットに詰めることになるので、ネットに詰めきれていないことが多いため、サイド(クロス)が空いているように見えることがある。
強引にサイド方向(クロス方向)に打ち込んでくるプレイヤーもいますから、意識はしっかりサイド方向に重点を置きます。
相手後衛が打つ瞬間には、スプリットステップなどを入れて、足を止めましょう。
普段のストレート・ラリーと同じように、ストレート方向は完全に捨てて、あえてストレート方向に偏ってポジショニングし、サイドに誘う、というのでも良い。
こうすると、勝ち気な(またはかっこつけたがりな)相手後衛だと、一発逆転を狙って、普段よりも高い確率でサイドを狙ってくると思います。
こういう「ミスの後の処理」は、プレイヤーは「あくまで特別な状況」と思いがちです。
ここで相手後衛が罠に引っかかっても、
「今のはしょうがない」
と「特別視」して、データとして頭に残さないでくれることが多くあります。
つまり、同じ状況で同じように処理をしてくれることが重なるプレイヤーがいるんです。
同じミスを繰り返すプレイヤーの典型です。
ヘタに「切り替え」を優先させるせいで、「分析」がないため、同じ罠に何回もかかってくれる(笑)。
そういう意味では、セオリーを守っているだけで、この状況に「つけこむ」ことが可能な場合もありますから、しっかりと基本を守ることを忘れずに行いましょう。
【次回へ続く】