いよいよ、フォワードスウィングでの体の使い方です。
 
 ラケットダウンと腰の回転を同時に行うことで、ラケットを持つ腕が「回外+外旋」をしながら、後方に倒されることになる、というところまでをご説明してきました。
 
 まず腰の回転が先行すると、それによって、ただでさえひねった状態がより大きくなります。
 
 腹筋・背筋が引き伸ばされることにより、ここでも伸張反射が起こるわけですね。
 
 さらに、腰の回転とともに左腕の「振り下ろし+引き寄せ」を行います。
 
 これによって大胸筋や広背筋が大きく引っ張れることになる。
 
 引っ張られる方向は、次の図70です。
 
イメージ 1
 
 図では前方向からしか表していませんが、実際には、背筋も大きくねじれて引き伸ばされています。
 
 また図の矢印はあくまでもイメージでしかありません。
 
 実際の筋肉の流れで矢印であらわそうと思ったのですが、回旋筋やら多裂筋やら、構造が複雑すぎて素人の僕には描けませんでした(笑)
 
 大切なのは、上体を回転させることだけでなく、後ろに引いていた右肩甲骨を前方にスライドさせる(外転させる)イメージです。
 
 さらに大胸筋、広背筋では、上腕の内旋や内転を行います。
 
 強力な内旋でラケットスピードを上げるとともに、ラケットの重みで後ろに遅れがちな上腕を引っ張ることで、ゼロポジションを維持します。
 
 これが、左手の急激な振り下ろしで胸を張る形にすることで、伸張反射が生じるわけです。
 
 この動きと、上腕三頭筋による腕の伸展が同調しないと、腕の振りが遅れてしまいます。
 
 ジュニア選手は、肩幅や体の細さに比較すれば、腹筋・背筋がついているため、腰の回転は非常に速い。
 
 しかし、上腕の筋力は非常に弱いため、腕の振り上げは遅くなりがちです。
 
 上体の回転や上腕の内旋は速いけれど、腕の伸展が遅い、ということになるんです。
 
 小学生ぐらいの選手だと、かなり上体が前屈みになってから、やっと腕が伸びきり、インパクトを迎える選手も多くいます。
 
 それが極端すぎると、インパクトの時にゼロポジションが崩れて肩を壊したり、薄いグリップだと打ちにくいので自然と厚いグリップで握ってしまったりするので、それだけは注意しなければいけませんが、上体が棒立ちになり、腕だけでスウィングするよりは100倍いいと思います。
 
 そして、この腰の回転によってラケットが外側に振り出され、前腕の回外も完成することになり、その遠心力も腕(ヒジ)を伸展させる始動動作に利用することできる。
 
 そのためには、やはり、腕を90°程度に曲げておく必要がある──ね?すべての動きが、すべて理にかなって連動していることがお分かりいただけると思います。
 
【次回へ続く】