これも以前に言ったことですが、ラケットの握り方次第で、回内をしているように見えたり見えなかったりしてしまうことがある。
これは以前にも出したことのなる画像(図28)。
右と左、どちらの図が「回内+内旋」をしているように見えますか?
あきらかに、右の図ですよね?
でも、腕のひねりそのものは、両方とも同じなんです。
何が違うかというと、ラケットの握り方。
実は、右図のほうがラケットを「厚く」握っているんです。
そう、ラケットをちゃんと「薄く」握っている方が「回内+内旋」をしていないように見えてしまうときがある、ということです。
グリップをしっかりと薄く握れば握るほど、フォロースルーではラケット面が下を向きやすい、という矛盾が生じてるわけです。
これも、バカの一つ覚えのように、
「フォロースルーでは、ラケット面が外側を向いていないとダメ」
って思い込んでいると見逃してしまう間違いの典型。
逆にそういう人は、実はラケットを厚く握ってるだけの人を、
「ちゃんと回内しているねぇ」
って褒めてることもあり得るわけですね。
そして、よくあるのが、体の傾きです。
下の図29は模型を使ったサーブのフォロースルーの体勢。
これも、左図のほうが、ラケット面がしっかりと外側を向いているために、「回内+内旋」していると判断されてしまうことが多いんですが、これは左右とも、上半身は全く同じ形。
上半身の「傾き」が違うだけ。
ジョコビッチやフェデラーは、左図のように体の傾きが大きく、こういうタイプの選手は、実際には「打ち下ろしている」フォロースルーであっても、いかにも外側にラケットを「振り出している」ように見えるんです。
ね?、フォロースルーでのラケット面の向きだけを「回内+内旋」の判断材料にすることが、どれだけバカげてるか、分かっていただけましたか?
【次回へ続く】