それでは、いよいよ、具体的にサーブでの運動原理に入っていきたいと思います。
 
 すべてをまとめてやってしまうと難しいので、動きを細かく分解しながら説明していきます。
 
 まずは注意点が2つ。
 
 1つは、今からご紹介するのはあくまでも「サーブの原理」であるということ。
 
 決して「良いサーブを打つ方法」そのものではありません
 
 もちろん、サーブの原理を的確に再現することで、結果的に「良いサーブ」になることは保証します。
 
 ただ、
 
「ここで腕を回内+内旋させ──」
 
 と書いてあるのを読むだけで、それができるようになるわけではない。
 
 いくつかの「コツ」と多くの練習を重ねることで、習得できるようになります。
 
 その「コツ」や練習方法は、後日に譲るとしましょう。
 
 そしてもう1つは「インパクトから逆算して考えること」です。
 
 フォロースルーはインパクトの「結果」でしかありませんが、テイクバックは違います。
 
 的確なインパクトを生むための準備段階として、インパクトから徐々に逆算をしていくことが大切です。
 
 まず、最も大切な「フォワード・スウィング→インパクト」にかけて、腕は「回内+内旋」を行っています。
 
「インパクト→フォロースルー」はその「名残」でしかありません。
 
 問題は、その「回内+内旋」が「伸張反射」を活用して行われている、ということです。
 
 つまり、その前段階で「回外+外旋」が行われています
 
 それは、ラケットを背中側に落とし、フォワード・スウィングに移行した瞬間です。
 
 このとき、ラケットを落とした「重量」と腕の振り上げによる「慣性の法則」でのラケットの「遅れ」を利用して、利き腕が「回外+外旋」されることになります。
 
 さらに、その「回外+外旋」を行う前段階、つまりラケットを振り上げるまでに「回内(+内旋;このときの内旋は小さい)」が実は起こっているんです。
 
 その「逆算」が分かっていないと、サーブでの利き腕の動きを順番に見ていったとき、全然インパクトと関係の無いところで「回内(+内旋)」をしていたりすると、
 
「?」
 
 ってなる(笑)。
 
 また「フォワードスウィング→インパクト」での「回内」だけしか頭にない人、そして普通に随意運動での「回内」しかやったことのない人は、その前段階で「回外+外旋」をする意味が分からない、ということになってしまいます。
 
 1つずつ、じっくりと分解しながら行うことで、それぞれの運動の意味が分かると思いますので、ぜひおつきあいください。
 

 
 
 ルーティーンはカットしてありますので、スタートはサーブのために構えた瞬間(図12)
 
イメージ 1
 
 そこから1コマずつ(30コマ/秒)、ラケット面の中央に「○」をつけ、軌道を示したものが次の図13。
 
イメージ 2
 
 このラケット軌道を、ポイントごとに大きく区切るとすると、下図14の矢印のように6段階に分けられることになります。
 
イメージ 3
 
 この6段階を順番に説明していこう、と思っています。
 
 大切なのはラケットを持った利き腕の振りですが、その振りを実現させるためには体全体の動きと連動させなければいけませんから、それと併せてご紹介していくことにしましょう。
 
【次回へ続く】