「サムアップ」という言葉をご存じでしょうか?
もちろん、テニス用語です。
これをご存じの方は、30代以上のプレイヤーか、もしくは40代以上のコーチに教えてもらっている方、ではないでしょうか。
若いプレイヤーの中には、こんな用語、知らない方がたくさんいます。
最近では、テニス雑誌でも使われない「死語」に近いですし、うちのチームでは、僕が全く使わないので、生徒はたぶん知らないです。
「サムアップ」とは、グリップの握り方の一つで、ラケットの軸に合わせて親指を立て、グリップを横から押さえつけるように握る方法のこと(図1)
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190603/21/dasadasacoach/b1/10/j/o0500038014422146579.jpg?caw=800)
まさに「サム(親指)」を「アップ(上げる)」してるわけですね。
かつて、片手バックハンドのストローク、ボレーなどで使われていた手法です。
年配のプレイヤーやコーチの中には、未だに実践している方も多いようです。
ただ、自分が若い頃に習って慣れてしまったことを今更に直すのがめんどくさくてやっている、というだけならまだしも、これをいまだに「正しい理論」として、スクールなどで教えている方がいらっしゃるのには閉口します。
Yahoo!知恵袋でも、
「サムアップこそが、バックハンドの基本」
みたいな回答を見てしまうと、
「今時まだそんなこと言ってる人がいるのか。。。」
と、辟易してしまいます。
僕は、いっさいやったことがありませんし、教えたこともありません。
生徒は女子高生ですから、ほとんどが両手バックハンドですので、ストロークではもちろん必要ありませんが、ボレーなどでも絶対させません。
僕自身は、片手バックハンドですが、高校時代からやったこともない。
当時、部活のチームメイトといろいろと議論をしたのも覚えていますが、サムアップは不必要、という結論になりました。
科学的に考えれば高校生でも「無用の長物」であることが分かるからです。
なにより、世界で活躍するプロの選手でサムアップをやっている選手を今まで見たことがない。
こういうことを言うと、
「プロは、握力があるから、サムアップは必要ないんだ」
とおっしゃる方がいますが、さあ、どうなのでしょうか。
これも、ちょっと、検証しましょう。
【次回へ続く】