高体連の大会で使用するボールは、WilsonのUS OPEN Extra Duty です。
昨年までは女子は US OPEN Regular Duty を使用していましたが、2013年から男女統一されてます。
1年間ほどの猶予期間はあるそうなので、各都道府県や大会で扱いは違うでしょうが、うちのチームでは、今年から購入するボールはExtra Dutyにしております。
このように、ボールが規定されているのは、国際大会の多くでこのボールが使われているために、ジュニア育成の観点から、国際基準に合わせよう、という考え方によるものです。
ここで、よく聞く言葉があります。
ボールによって「速さが違う」というもの。
特に、日本で人気の高いダンロップの「フォート」はボールが「遅い」代名詞としてよくサイトなどで紹介されています。
だからこそ、国際大会では採用が少なく、高体連も国際基準に合わせて、Extra Dutyを使わざるを得ないという齟齬がうまれてしまうわけです。
この「ボールの速さ」とは何でしょうか?
テニスボールには厳密な規格が存在します。
ボールの大きさは直径:6.54~6.86cm、重さ:56.0~59.4gと決められており、またどれぐらい弾むのか、どれぐらいの変形するのか、まで細かく規定されています。
また、その試験をするときの気温や湿度、気圧まで決まっていますからかなり厳密です。
変形を計る機械にいたっては、「バ―シ―・ハ―バ―ト・スチ―ブンス氏によって設計された機械」と定められているぐらいです。
にもかかわらず、「速さが違う」と言われる。
なぜでしょうか?
1つ考えられるのは表面を覆う「フェルト」の違い。
フェルト自体の「厚さ」「量」についての規定はありませんから、ここが一番違うような気がします。
下手をしたら、あの「縫い目」の部分の深さも違うかも知れませんね。
微妙に素材や編み方が違ったりすると、摩擦係数も変わるかも、と思うと、これがボールの性質を決める大きな要素であるような気がしてきます。
次に考えられるのは中のゴム素材の違いです。
ボール全体の大きさは決められているものの、ゴム素材の「厚さ」や「組成」を限定されているわけではありません。
バウンド時の変形や復元の仕方はボールのよって違ってもおかしくありません。
ただ問題は、前述した「スチーブンス機」と呼ばれる機械。
どんなふうに変形を測定するのか、ルールブックを読んでいてもどうもわかりにくい。
どこまでの変形を測定できるのか分かれば、その「ボールの違い」が球足に影響を与える大きさを考察できるんですが。
特に現代テニスの場合、かなりのスピードでラケットを振り込み、ボールが大きくつぶれますから、昔のルールでは対応できなくなっている可能性もありますしね。
だれか、機械、見せてくれないかなぁ(笑)
【次回へ続く】