それでは、ダブルスでの最大の武器「ポーチ」をやっていきたいと思います。
 
 以前、Yahoo!知恵袋で、
 
ダブルスのポーチですが、どんな判断でポーチしますか?
 
(中略)
 
 具体的なポーチの判断基準を教えてください」
 
 というものがありました(実際の質問はこちら → http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11100977291
 
 回答の中には、
 
「ほぼ直感で出ます」
 
 っていう、とんでもないものもありましたが(笑)
 
 もともと「ポーチ」は、英語の「poach」で、「侵入する」とか「密猟する」という意味です。
 
 本来は後衛どうしのストローク・ラリーとなるボールを、オープンスペースまで飛び出して、まさに「密猟」するように、ボレーする。
 
 相手の甘いショットやミスショットを、ちょこっと移動してボレーするのは、厳密に言えばポーチとは言えないわけです。
 
「予知能力」があるはずもないので、ポーチに出るのは「何か」をもとに判断している。
 
 その「何か」を分かっていないから「直感」だと言ってるのでしょうが(笑)。
 
 僕は全く違い、次の3つで出るようにしています。
 
 そのときの回答をそのまま掲載いたします。
 
1.決め打ちパターン
 
ポイント間やゲーム間などに、パートナーと、
 
「サーブがワイド(またはセンター)に入ったら」
 
とか、
 
「相手が左サイドでバックサイドで打つことになったら」
 
と話し合っておいて実行します。
 
極端なときには、
 
「サーブから4本目にポーチに出る」
 
と決めておくこともあります。
 
ギャンブル要素が高いので、その結果、こっちの作戦が読まれてストレート抜かれたら、ごめんなさい、です(笑)
 
 
2.状況判断でポーチに出られそうなときパターン
 
たとえば、味方後衛のストロークが良く、相手後衛がベースラインよりも2mぐらい後ろからストロークを打つ状況になったとき。
 
相手ショットがネットに来るまでに余裕があるので、打ってからポーチに出ても間に合う場合がありますので、準備をするように言っています。
 
他にも、相手がワイドに走らされたり、センターから打つことになって、オープンスペースが狭いとき。
 
また、明らかに味方後衛のストローク能力の方が高く、ストレート・ラリーを相手後衛が単調にしか返せないときなどは、どんどん狙わせます。
 
相手のストロークや目線の癖が読めれば、それも利用します
 
僕は、相手後衛が「狙ったところに打てる」っていう上手い人ほど狙いやすいです。
 
「今、そっち狙ってなかっただろ!」
 
みたいなのがありませんから(笑)
 
 
3.味方後衛がダブルフォルトしたときパターン
 
これはもうメンタル的なものですが(笑)、味方後衛がダブルフォルトしたときは、次のポイントでポーチに出るように言っています。
 
もちろん、何回もやってるとばれるので、常に、ではありませんが。
 
もしも決まれば、後衛のダブルフォルトをポイント上で帳消しにできますし、もしミスっても、それで気持ち的に「おあいこ」になるんだから、味方後衛のためにもどんどんやれ、と(笑)
 
 以上です。
 
 そのときにも書いたんですが、1,3はあらかじめ準備をしないとできません。
 
 2.は状況判断ですので、それを「直感」という人もいるかもしれませんが(笑)、それは「直感」ではなくて、自分なりの判断基準を、自分でも分かっていないだけではないでしょうか。
 
 そう言う意味での「直感」で出る相手は、僕には非常に楽な相手です。
 
 生徒でもそういうタイプの選手がいるんですが、根拠がないのに「クセ」はあるので、簡単に騙せる。
 
 打点を遅らせたり、踏み込み足の角度を変えたりするだけで出なくてもいいときにポーチに出て、出なければいけないときに、サイドを固めてしまう。
 
 それをしないためには、いくつかの「フェイク」を織り交ぜながら、ポーチを行わないといけないんですが。
 
 ポーチのための基本的な動き方と、それを有効に生かすための「フェイク」をご紹介したいと思います。
 
【次回へ続く】