そして、動きの3つ目。
味方後衛がストロークを打ち、相手コートにいったときには、またネット付近でのポジショニングをすることになります。
ポジショニングの基本は、以前お話ししましたので、そちらを見ていただくとして、問題なのはネットに詰めるタイミングです。
そもそも、ボレー警戒ポジションは、味方後衛のミスショットを相手前衛にボレーされたときに対応するための位置。
ですから、前に出るタイミングは、ボールが相手前衛を追い越し、相手前衛のボレーはもうない、と判断した瞬間です。
これが、まあ、できない(笑)。
警戒ポジションの意味をちゃんと戦術的に理解していない選手だと、ボールと一緒のタイミングで前に出てしまいます。
で、相手前衛にボレーされたときには、なぜかネットに詰めている、っていう。
高校女子の大会などでもたまに見られるミスプレーです。
ただ、本当に、相手前衛の横をボールが通り過ごすのを確認したから前に出ていては、ほぼ間に合いません。
相手前衛の動きから、
「あ、ボレーしないな」
とできるだけ早く判断しなければいけません。
ボレーするためには、必ずラケットを動かさなければいけませんし、表情や目線で分かるときもあります。
逆に、それを逆手にとって、相手の動きを遅らせることも可能です。
相手後衛が打った瞬間に、ボレーやスマッシュをする「フリ」をするんです。
そうすると、相手前衛の足を止めて構えてくれる。
それによって前に詰めるタイミングをわずかに遅くすることができますから、早いタイミングのストロークの時に非常に有効になります。
ただ、自分が警戒ポジションに下がるタイミングもわずかですが遅れますし、自分の味方後衛まで騙されてしまうとダメですから、あらかじめ味方後衛とは話し合いをしておきましょう。
【次回へ続く】