最後に、一点だけ注意が。
 
「生命線グリップ」で握った場合、人差し指を図のように少し立てるような形になります(図19)。
 
イメージ 1
 
 
 よく「人差し指でラケットを押し込むため」という説明をしている場合がありますが(僕も昔はそう思っていましたが)、違います
 
 これも、指の構造によるんです。
 
 指は伸ばしていると開きやすく、曲げているときは開きにくい構造になっている(図20)。
 
イメージ 2
 
 
「生命線グリップ」で握った場合、ラケット(グリップ)の軸方向と人差し指の方向が斜めになり、指が「伸びる」んです。
 
 そうすると、指と指の間を閉じているよりは、指の間を開けた方が力が入りやすい、
 
 ただそれだけなんです。
 

 
 さて、全11回にわたってグリップの「厚い」「薄い」について考えてきました。
 
 ああーーー、長かった(笑)
 
 最初にも書きましたが、最近では、グリップの握り方は詳しく言わず、段階的なメニューをこなすことで自然と自分にあったグリップが握られているような練習が紹介されています。
 
 僕も、本来はこれが理想。
 
 でも無理だし(笑)。
 
 それと、本やサイトに紹介されている「厚い」「薄い」の紹介に、疑問というか不満を持っていたことも、この考察の一因でもありました。
 
 特に「手首の『コック』」や、ショット毎の「握りの変化」についての説明が。。。
 
 今回ご紹介した「生命線」グリップ、「感情線」グリップの違いを把握していなければ、根本的な解決にはならない場合にも、「手首の角度」や「ラケットの向き」だけに矮小化されて紹介されているのが、どうも気になっていました
 
 それを誤解なくご紹介するには、僕の文章力ではこれだけの分量がだらだらと必要になってしまったわけです。
 
 面目ない(笑)。
 
 今後、このブログで「厚い」「薄い」ということが書かれていたら、人差し指の付け根の位置もグリップの方向も両方調節されている、と思ってください。
 
 また、みなさんも、手首の角度やラケットの向きだけで、「厚い」「薄い」を判断しないようにしてください
 
 それが分かっていれば、テニス雑誌で紹介されている技術論の多くが、すんなり自分の中に入ってくると思います。
 
 今後は、
 
「この「厚い」グリップ、「薄い」グリップを、なぜ使い分けないといけないのか」
 
 そして、
 
「その利点・欠点は何なのか」
 
 を考察していきたいと思います。
 
 もちろん、暇ができ次第、ですので、気長にお待ちくださいませ。