その「ちょうどいいグリップの太さ」ですが、人によって説明や基準が違う
 
 一般的な説明は、ラケットを握ったときに生じる、人差し指・中指と親指の付け根(母指球)とに生じる「すき間」の大きさ(幅)を基準にしようとするものです。
 
 昔から、いろんな本やサイトに紹介されているのは、
 
「指と母指球との間に、人差し指が1本入るぐらいのすき間を空ける
 
 というものです。
 
 中には、具体的に「○mm空ける」って書いてある本やサイトまであります。
 でも。。。僕、人差し指が入るほどのグリップの太さだと、明らかに「太い」んです。
 
 高校の頃から、試行錯誤して色々試して、しっくり来るグリップの太さが、下の画像(図1)。
 
イメージ 1
 
 ね、指と拇指球とのすき間、ちょっと狭いのが分かりますか?
 
 少なくとも人差し指1本分は入らない
 
 入ったとして小指1本(それでもひっかかるけど)。
 
 これは、手の大きさが変わらなくなった高校時代からずっと。
 
 みなさんはどうですか?
 
 ホントに、人差し指1本入りますか?
 
 高校時代のチームメイトも、バラバラでした。
 
 で、昔から不思議に思っていたんです。
 
 だから、この「グリップの太さ」、実はすごくデリケートで、一概に「人差し指1本入るぐらいのすき間を空ける」って、言っちゃいけないんじゃないか、って思うんです。
 
 だから、僕も選手には、
 
「しっくりくる太さを、自分で探れ」
 
 と言っています。
 
「ちょうどいい」グリップの太さは「手の大きさ」の影響が大きいと思うんですが、最近、
 
「アバウトに『手の大きさ』っていうよりも、まず『手の平の大きさ』次に『指の長さ』の順に重要なんじゃないかな。。。」
 
 って思うようになっています。
 
 ラケットを握ったとき、実際に力を入れるのは「親指の付け根~薬指の根元」。
 
実際、マメができるって、薬指や小指の付け根じゃありませんか?」
 
 指がなくてもグリップが握られる、というわけではありませんが、少なくとも「しっくり感」の大きな要因は「手の平の大きさ」によるところが多いんじゃないか、と思うようになりました。
 
 弟が一人いまして、身長がほとんど一緒なんですが、なぜか手の大きさは彼の方が小さい。
 
 この前実家に帰ってきましたので、ラケットを握ってもらうと、やはり手が小さいから、「すき間」が大きめに空くんです。
 
 が、彼の感覚は「しっくり握っている」というもの。
 
 で、計ってみると、手の平の大きさは僕とほぼ同じ。
 
 手の大きさの違いは、「指の長さの違い」で生じたものでした。
 
 つまり、手の平の大きさによって、ちょうど良いグリップの太さが決まっていて、指の長さは、二次的なものではないか、と考えてるんです(図2)
 
イメージ 2
 
 グリップを握った際、ラケットの軸に対して、直角になる方向での手の平の大きさ(長さ)
 
 この長さとグリップの太さとの関係が大きいんじゃないでしょうか。
 

 
 さらに、ほかのみなさんもそうだと思うんですが、僕はストロークとボレーでラケットを持ち替えます。
 
 ボレーの時は、コンチネンタルに近い握りで、さらに、掌の「感情線」に沿ってグリップを握ります。
 
 で、そういうふうに握ったものが、下の図(図3)。
 
イメージ 3
 
 分かりますか?
 
 指と母指球との間に、図1と比べると大きなすき間が空いているでしょ?
 
「同じラケットを同じ人間が握った」としても、握り方が違うだけでこれだけ差が生じるのに、単純に「すき間に、人差し指が入る太さがちょうどいいんだ!」と言ってしまっていいわけがない。
 
 さらに、前述しましたが僕の場合、2(4と1/4 インチ)の太さのグリップに、オーバーグリップを2枚巻くとしっくりくる。
 
 オーバーグリップの厚さを変えたり「重ね」の部分をどう調節しても、サイズ「3」や「4」ではしっくり来ない。
 
 実は「形」に違和感があるんです。
 
 ラケットのグリップは、多くの場合「8角形」。
 
 正8角形ではなく、ラケットのフェイス面に平行に少し伸びたような8角形ですが、どのメーカーも8角形であるのは共通です。
 
 この上にグリップを巻くんですが、2枚ぐらい重ねると、その「角」がなめらかになるんです。
 
「丸」に近づくというか。
 
 ソフトテニスのラケットは、正8角形に近いんですが、中学校の時にソフトテニスをしていた僕は、どうも、そこらへんの微妙な「形」も、「しっくり感」の要因になっている。
 
 もうこれは「好き」「嫌い」とか「慣れ」の部類であって、手の平の大きさとの相関があるとは思えませんが、調べてみると面白いでしょうね。
 

 
 すごく無責任な言い方に聞こえますが、いろいろと考察した結果、
 
「グリップの太さは、選手それぞれの「感覚」に任せるのが一番」
 
 というのが僕の結論。
 
 少なくとも、画一的な「決まり事」にするのは、難しいんだと思います。
 
 だからこそ、僕は選手に細いグリップのものを買わせて、自分で調節させている。
 
 もちろんただ握るだけでなく、ラケットを振ってみて、ボールを打ってみて確かめなければいけませんが、みなさんも「決まり」に縛られずに、グリップの太さを探ってみてください。
 
 誰か、大学の先生とかで、手の平の大きさとグリップの太さの関連性、形としっくり感との統計、取ってくれないかなぁ。
 
 実験結果さえ詳しく教えてくれれば、アイディアぱくった、とか言わないから(笑)