久しぶりの技術論です。

 

 今回はスウィングそのものではなくて「構え」「軸」について簡単に考察しましょう。

 

「軸」の定義については、様々あり、それを論じ始めるとめちゃめちゃ長くなるだけでなく、異論が噴出しそうなので、やめておきます(笑)。

 

 同じようなスクエア・スタンスでの踏み込みタイプの打ち方でも、何を持って「軸」と呼ぶのかは怪しい

 

 たとえば、僕が少しかじっている4スタンス理論では、歩いている最中にでも軸が入れ替わる「軸シフト」が起こることを前提としています。

 

 ということは、打ち始めの軸と打ち終わりの軸で変更している可能性があるわけです。

 

 実際には、その「軸シフト」の最中で、スウィング → インパクト を迎えることになるわけです。

 

 そういうところが、いろいろな人々の「軸」に対する解釈の差異に出てしまう原因なのではないでしょうか?

 

 僕自身は「軸」を、「重心軸」としてとらえており、「回転軸」は付属的なものとしてとらえていますが、これも、人によって違うかもしれませんね。

 

 さまざま動きの中での瞬間瞬間、例えば、走り出すために地面を蹴った瞬間、ラケットを振るためにフォワードスウィングを始める瞬間(もしくはテイクバックが完了した瞬間)、インパクトの瞬間など、体を安定させるべき一瞬一瞬で、軸がそろっている必要があり、そのためには「回転軸」がしっかりしていないとだめだ、という考え方です。

 

 ですから、オープン・スタンスのときの蹴り足(右利きの時の右足)を「軸足」と呼ぶことは違和感がないのですが、スクエア・スタンスのような打ち方をするときに、蹴り足(右利きフォアの場合の右足)を、打ち終わった後にもそのまま「軸足」と呼ぶのには、ちょっと抵抗があるのです。

 

 これも、オープン・スタンスの打ち方の説明をしたときにも言いましたが、オープン・スタンスの定義そのものがややこしい上に、そういう「軸足」という用語のこともまで気にし始めたら、とんでもないことになる(笑)

 

 決して「言葉遊び」をしたいわけではないのです。

 

 ですので、今回は「安定→移動」の切り替えがすぐにできる、僕なりの「体の使い方」を考察するうえで、僕なりの「構え」や「軸」についてお話できれば、と思います。

 


 

 まず、一番最初の「構え」に関してです。

 

 最初に言っておきますが(笑)、いわゆる「言葉遊び」をしたいわけではないので、プレイの中でどこからどこまでを「構え」、と呼ぶのかなんていうクレームは受け付けませんのであしからず(笑)。

 

 まず、よく言われるパワー・ポジションから。

 

 僕の考えるパワー・ポジションは、「スプリット・ステップを踏む直前~踏んだ瞬間の体勢」です。

 

 スプリット・ステップは、その名の通り、両足の間を開け(スプリット)、小さくジャンプして両足同時に着地して一瞬にして荷重をかけることで均等な伸張反射を生じさせ、それによって左右どちらにでも素早く動けるような準備を行う技術、のことを言います。

 

 パワー・ポジションは、その小さくジャンプする直前の体勢、またはジャンプして着地した直後である、という定義です。

 

 人によっては、このスプリット・ステップをする事前の準備の体勢を「パワーポジション」と呼ぶ人もいますので、ややこしいんですが(笑)、今回は無視をします。

 

 そこで、まずは「スプリット・ステップ」を踏んだ瞬間を考えてみましょう。