ウインドの定演終了
慶應ウインドの演奏会が盛会のうちに終了しました。
OBからの有り難い感想(中略)と私のエッセイを載せておきます。
OB OGにはこんな風に大切にしてもらってます。
ちょっと前の写真ですが、感謝!
私が現役時代には考えられないレベルです。
現役時代にお世話になった津田雄二郎先生の指揮。1曲目の「スパルタクス」では、作曲家の意図したであろう世界観が緩急自在に表現された好演でした。先生の指揮とそれに合わせて出て来る演奏の一体感が凄い!
2曲目の「パガニーニの主題による幻想変奏曲」パート毎のアンサンブルの緻密さが、津田先生の指揮によって更に引き出された、なかなか聴きごたえのある演奏でした。各楽器が持つ個性と実力が際だっていたように思います。今の楽団が持つ魅力がまさに存分に発揮された素晴らしい演奏でした。
時間はアッと言う間に過ぎてしまいました。
アンコールでは、今や恒例となった先生のマイクパフォーマンスによる曲紹介。1曲目はなんと、私が現役時代のちょうど30年前に演奏した「そりすべり」!(クリスマスイブイブの日でした)。懐かし過ぎて涙出そうになりました。締めは、「ブロックM」。聴くだけで一気に昔に戻れるその曲は、OBとしては嬉しい限りです。
津田先生、元気と勇気をもらえる演奏、本当に有り難うございました!
今期の幹部と
慶應義塾大学ウインドアンサンブル定期演奏会より
指揮︰津田雄二郎(常任指揮者)
交響詩「スパルタクス」(J.ヴァンデルロースト)
パガニーニの主題による幻想変奏曲
(J.バーンズ)
アンコール
そりすべり(L.アンダーソン)
ブロックМ(J.H.ビリック)
2019年12月22日(日)
かつしかシンフォニーヒルズにて
司会は美しい遠藤さん(ちょっと懐かしい写真)
当日のプログラムから
「スパルタクス&パガニーニそしてジョー」“魂の叫び”
エッセイ 津田 雄二郎
スパルタクスは傭兵から兵士となり、逃亡し盗賊となり、そして剣闘士となって、紀元前71年、奴隷解放を訴え、共鳴する多くの仲間と共に古代ローマ軍に立ち向かい蜂起し、反逆者のレッテルを貼られ没した。まさに孤高の革命家といってもよいだろう。
パガニーニは幼少からヴァイオリンを弾き始め、13歳になると学ぶものがない!と言って自分で曲を作って練習した。周囲はその狂人的技巧に驚嘆し、「悪魔に魂を売り渡した者」と銘打った。浮名、賭博、ケチ、薬物、不健康等の噂からすると、彼はどうも人間的にはかなり問題があったようだ。パガニーニは1840年に没している。
先日トロンボーンのジョセフ・アレッシ氏(ジョー)のリサイタルを聴いた。あまりの巧さに、彼は本当に人類なのか?と疑うほどであった、笑。しかし彼はユーモアとぬくもりを合わせもったそれは素敵な紳士である。
彼らは三者三様ではあるが共通点がある。それは、こんな人はこの世に二人といない、ということだ。なぜそう為れたか?答えは、魂願を現実に顕した、ということである。魂願とは人が生まれ持ってこの世で果たそうと携えてきたオリジナルな願いである。彼らは、彼らにしか為しえぬ為すべきことを心の深奥から探り出し、そこから一握りの才能をベースに試行錯誤と不断の努力の積み重ねによって、最高のものを現実に顕すに至ったのである。いうなればそれは“魂の叫び”とも言えよう。
ここで現実に目を向けてみる。ウインドの目標は、ウインドにしか為しえぬ為すべきことをここに顕すこと。言い換えれば、それは我らの“魂の叫び”を音楽にすること。ここにしかないオリジナルな音楽を顕そうと思う。
練習風景