【ジュネーブ伊藤智永】ギリシャの連立政権協議は15日、パプリアス大統領が、官僚や有識者ら政治家以外の実務者による内閣樹立の提案について、5政党の党首を集めて協力を要請したが、話し合いは決裂し、6月10日か17日に再選挙を行うことが確定した。世論調査では、再選挙でも財政緊縮策の反対勢力が優勢とみられている。再選挙後の組閣も難航する可能性があるほか、緊縮策反対の政権ができれば、欧州連合(EU)との再交渉などを巡ってさらに混乱は続く見通しだ。
ギリシャ国営放送によると、大統領は16日午後、各党首を集めて再選挙実施の選挙管理内閣を組閣する。
15日の大統領と5党首の会談後、連立政権発足に前向きだった第3党・全ギリシャ社会主義運動のベニゼロス党首は「何人かの党首は、政党間の争いしか考えていなかった」と述べ、連立政権樹立に一貫して協力しなかった第2党・急進左派連合などを非難。第4党・独立ギリシャ人党のカメノス党首も「話し合いにならなかった」と、各党の溝が深かったことを認めた。
6日の総選挙では、緊縮策を推進してきた連立与党の新民主主義党と全ギリシャが敗北。選挙結果を受けた組閣が翌日から9日間行われたが、鍵を握った急進左派が緊縮策取り消しの強硬論を譲らず、交渉はすべて失敗に終わった。
再選挙後に政権を取ることが有力視されている急進左派は、ユーロ圏残留と緊縮策廃止の両立を主張しているが、EUが応じる可能性は少ない。このため、再選挙後も今以上の混迷が予想される。