台所に執着する
みよちゃん
主婦として
家族のご飯を作り
時には
仕事をする娘達の為
孫のご飯作りを手伝い
調理の仕事をしてた者として
責任を持って
給食を提供し
長い時間
台所に立ってきた
みよちゃん
みよちゃんにとって
台所は聖地なんだろうと思う
1年前に来た時は
スーパーへの買い物も
夕飯作りも
お願いしてた
ポテトサラダが
途中から肉じゃがに変わっても
メニューが
カレーライスと
焼き魚と
生姜焼きの
ルーティンだとしても
出来る事を
してもらおうと
思ってた
ある日
歩いて2分のスーパーに
買い物に出たものの
目的を忘れて
14,000歩も
当て所もなく
歩き続けてしまい
一人の時に買い物に
出かけない様に
家の鍵を預けなくなった
ある日
材料が鍋に入ったまま
作るのを途中で
やめてしまっていて
何を作ろうとしてたのかも
忘れていた
ある日
味噌汁が
お椀一杯分しか
作れなくなってた
ある日
どんな野菜も
どんな料理でも
千切りしかしなくなった
そんな日々を重ね
もし火を消すのを忘れたら
もし鍋をひっくり返してしまったら
考えると不安がつのり
私は
みよちゃんに一人で
台所を
任せる事が出来なくなってしまった
夕飯は
「お母さんが帰って来たら
一緒に作ります」
毎日
そのメッセージを残す事で
ホワイトボードを見て
なんとか
ふみとどまっている
それでも
次の
ある日が
いつ来るかわからないから
迷子に備えて
携帯電話のキャリアを変え
GPSをセットした
ガスレンジを
チャイルドロックが
ついてるものに
買い替えた
予測して
対策して
あとは
それでも何か起こった時に
平静でいられる
強い心を
備えるだけね
したっけね