『ねー、聞いてー!』
いつものが始まる
「はーいー聞く聞く」
それが親孝行だと思ってますから
聞いてもらう人、私しかおらんしね
『ちょっと聞いてるー?』
『聞いてる聞いてる』
漫画かなって思うくらいいつも同じことを言う
私の意見は必要ないんだろう
『やっぱりそうだったのよ!』
目を輝かして確信を得たんだとばかりに
毎度同じことを鮮度よく感激を伝えてくる
なぜ、同じことで何度も再発見して感激してしまうのか
その気付き、ちゃんと受け入れました?
その気付き、前から進歩してます?
そう伝えてはみたものの、感激に浸る彼女には染みてないんだろう
同じとこをぐるぐる巡って、正にパラレルワールドの中にいるかのよう
次に上がる階段を発見するも、登れない
登らずに今いるステージでいる方が安心するんだろう
登らなければ落ちることもない
でも結局同じことの繰り返し
延々と聞かされることで、この世の理を教えられた気がする