ダリも読み終わったし・・・感想
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学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。
一言感想:
殺戮は、物事をリセットするための方法なのか?
★ネタバレするんで、読みたい人はやめてね。★
ほぼ完璧な擬態で学校や社会・・・周囲を欺きつつ、自らの王国を作り上げようとする。
そのためには「殺人」も「方法論」。
たんたんと行う殺人。
クラスを皆殺しにしてしまおうとするのだから
クラスのいろいろな人間模様を書きたかったのだろうから
フルネームで登場しているのだけれど
あまりに人数が多くて、「バックボーン」はすっ飛ばされて
あっという間に殺されてしまって
え?と肩すかしに合う場面もあったけれど。
その淡々と淡々と計画的に殺していく様は苦いきもちになり・・・
一気に読んで、終わらせてしまいたいというか・・・
「殺戮をとめたい」という気持ちで読んだ気がする。
最後に、ハスミンの正体がばれて、ほっとした・・・。
ハスミンは結局のところ「人と関わり合いたい」けどうまくいかない人だと思う。
「擬態で溶け込んでいる」けれど「なにごとも100点」でしか適応できない人で
そのためには「殺人」なりでリセットをしようとする。
生きていれば100点じゃなかったり、優秀じゃなかったり
不器用に人とぶつかったり、胸が痛くなるような思い出がいっぱいになったりする。
何事も「うまくいった」だけの思い出はない。
それを・・・自分の失敗に絡んだ人間を「リセット=殺人」はできなくて
その失敗を抱えて、生きていくのが人だと思う。
でも、ハスミンには、それができないんだろうなって。
彼はうまれもってのサイコパスという設定だけれど。
本当はハスミンに近い感情を持っている人っているんじゃないかなって・・・
ふと。
大量殺人とはいわないけれど、リセットって、そう簡単にできるものじゃない。
その失敗や衝突の中で生きることの良さは・・・リセットしてからじゃわからないと思う。
IQの高さは、もちろんあるんだけれど
どうしようもなく悲しいくらい深い闇というか幼稚性を感じたかも。
昨今の通り魔事件とかと近いかもななんて・・・
うん。
そんなことを思った。
映画化されたら、後半・・・ずっと殺戮シーンなのかな・・・あんまり触手がすすまないなぁ・・・。
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ダリ感想:
アメリカにハスミンより上手がいるってのが、すごいよねー。
何がびっくりって、それがびっくり。
・・・そこですか?(笑)