むかーし図書館で借りて読んだので、再読になるのだけれど。
この話にはサイキックの少年がでてくる。
人の心が読めてしまうというもの。
人の心が読めるから、悪意というものも読めてしまう。
主人公の高坂との出会いになったマンホールの事件も
犯人が分かってしまう。
たくさんの葛藤。
正義感と人間の心というものの扱い。
生きにくさ。
もう一人、もっと強い力を持つ青年。
彼のほうがもっと苦しみながら生きている。
彼らが純粋だからこそ、苦しんでいる・・・。
そしてそんな二人に挟まれて
サイキックの存在にたいして、信じるべきかどうか悩む主人公。
その主人公の気持ちになれて・・・どんどん引き込まれて
あっという間に読めてしまった。
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人の心が分かりたい、読めたらいいなーなんて
子供のときとか憧れたりもした。
でも、利己的な考えを知りたくもないのに知ってしまうとか
聞こえてしまうとかそういうのは地獄のような気もする。
自分に利己的な考えや、悪意のある心や
『・・・なんだかなー』なんておもいつつもにこにこと話を聞くこともある。
それがぜーんぶばれてたら、苦痛。
逆にわかってしまうのも苦痛。
鈍感でいたほうがいいなーなんて思ってしまう。
たまには、あえて鈍感なふりをしていることもある。
そうすることが大人という一言で集約されることかもしれないけれど。
わからないということは、実は弱い人間の精神には幸いなことなのかもしれない。
普通という利己主義のあふれる生活では、超能力というのは
決して便利なものではないだろうと思う。
ちょっと本の感想からはずれてしまったけれど。
彼らの純粋さと苦悩が優しく描かれていて
お勧めです。
あ。サスペンスとしても面白いですよ。
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