いろいろです

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なんつうか

本人にとってはメモ書きみたいなもんっす

Amebaでブログを始めよう!
一日遅れましたが、本年もよろしくお願いします。

しばらく離れていた間にアメブロでお世話になっていた方が辞めてらしてショックでした。帰ってくる場所がひとつなくなってしまい、寂しいです。これを読んで帰ってきてくださるとうれしいのですが…。
ZFC-Infでの有限集合論が面白く、集合論黎明期から半世紀くらいまで?の流れを楽しんでいます。ところで、ZFでは有限集合に対するACは自明です。なら、ZF-InfではACは成り立たないかというと、どうもうまくいなかい模様。ZF-Inf+¬InfからACが導けるというのは言えるかな?まあ、今そんなところでもやもやしています。
ZFC-Infが可能無限集合論、ZFC-Inf+¬Infが有限限定集合論ということになるのでしょうか。こういうのを真剣に考えてみるのも楽しいですね。
ちょっとした小ネタ話で。

群の公理は今の教科書では以下のようなものが標準なようです。

空でない集合Gが群であるとは
(1)任意のGの要素a,bに対して
a・b=c
となる二項演算・が定義されている。
(2)(1)の・について
(a・b)・c=a・(b・c)
(3)Gにはeという単位元と呼ばれる要素がただ一つあって、Gの任意の要素gに対して
eg=ge=g
を満たす。
(4)(3)のeに対して、どのようなGの要素gについても、それぞれ
gg`=g`g=e
を満たすようなgの逆元と呼ばれるGの要素g`が存在する。

ことをいう。

(3)の「ただ一つ」は公理としては与えない場合もあります(すぐに証明できますが、(4)の公理に使うeがいくつもあり得るのはあまり気持ちよくないので一意性は与えた方が教育的なように思います)。昔は(1)は公理の冒頭で

二項演算・が与えられた空でない集合GについてGが群であるとは

と始めて(2)~(4)の3つを公理とする場合が多かったようですから、数年で公理の流行も変わったということでしょうか。
世界最初の群の教科書に書かれた群の公理は、また違っています。上の表記を意識して書いてみます。

積・の定義された空でない集合Gが群であるとは
(1)・について
(a・b)・c=a・(b・c)
(2)任意の2元a,bについて、方程式
a・x=b
および
y・a=b
はGの中に解を持つ。

この公理から先の公理が定理として導かれますし、逆に先の公理から方程式が解けることは逆元a`を掛けることで容易に導かれますから、この二つの公理は同じ理論を導きます。なぜ今のようになったかと言えば、古い公理から単位元や逆元の存在を導くのがやや複雑になるのを嫌ったと思われます(一度手を動かすと多分納得します)。公理も教育的に進化しているのですね。

群の公理で一番キツキツだったのは以下のものです。(1)(2)は今のと同じ

(3)Gには単位元eがあって、Gの任意の要素gに対して
eg=g
を満たす。
(4)(3)のある単位元e'に対して、どのようなGの要素gについても、それぞれ
g`g=e'
を満たすようなg`が存在する。

eが一意という保証が公理にないので、そのうちの一つe'にだけ逆元の存在を保証しています。これでも理論は同じになります。一度この公理から今の公理を証明してみるのも良い演習です。