都市伝説「おかめひろしさん」
今日も夜は深かった。子供が無邪気に混ぜた絵の具のように空の黒は重なり合い、何かが出てくるような・・・そんな
気配さえする。
今日の仕事を終え、僕は家路を急いでいた。高校のときから通っているたこ焼き屋の仕事もすっかり板につき、ようや
く正社員への道も開けてきていた。学校での成績は芳しくなく、進学もままなならない現状では、大手の求人に期待
するほうが無駄というものだ。給料は安く、代わり映えのしない内容には退屈さも感じるが、やめるつもりはない。それ
をこの働いてきた3年間という長さが証明している。
そのとき携帯が震えた。
「よう!一人歩きの気分はどうだい?」
店長の幕壇 岩さんからだった。岩さんとは仲がよく、年こそ一回り離れているものの気軽に話し合える人生の先輩
のようなものだ。何か頼みごとをするときに目の前に両手を「パン」と合わせるのがトレードマークで、それをされると断
れない。しかもそれを何度もやってくるのだから、まったく子供の「一生のお願い」のようなものだ。
「最悪ですよ。こんな街灯もないところを遅くにあるかなくちゃいけないのは誰のせいなんですかねえ」
「そういうな。後方で腐っているよりよっぽどよかろう?」
「まぁ家でくすぶるよかマシですけど・・・岩さんはまだ店に?」
「ああ。仕込が終わって今片付けるところだ。帰れるのは1時ってところかな。まったくお客ってよりは汚客だよおれに
とっちゃ。さっさと帰りたいってのによ」
「あっそうですか、明日のシフトも俺出番だったと思うんですけど他のメンバーは?」
「きどちゃんもたにちゃんも用事があるんだと。まったくなにするつもりなんだか」
まさかとは思ったが、考えないことにした。われらがアイドルたにちゃんが男にうだつをあげるようなことはないだろう
が・・・。きどはかなりのプレイボーイだからすんなりあんしんというわけにはいかないのが怖いところだ。これを聞いた
ら正直仕事なんかしている場合ではないのだが・・・。
「まあそんなことはおいといて、岩さん明日二人じゃないですか大丈夫なんですか」
「ま~多分…大丈夫だろ、まぁ全部お前に任せることになるけどね。」
パンっ!!と音がした。またかっと心の中で思った。
「ちょwwww岩さんそれはないっすよ~」
「いやいや俺店長、お前バイトだろ、これ分かる上下関係」
「はい…分かりました…」
また岩さんの悪い癖がでた都合が悪いと何時もの如く上下関係を示唆するのだ。仕方がなく僕は、渋々承諾した。正
社員になればこの関係もなくなるのだろうか。おそらくないだろうが。
「ところで・・・さっさと家に着かないとやばいんじゃあないの?」
「え・・・なんでです?」
「実はな・・・ここらで最近化け物がでるんだそうだ・・・。おかめのな」
「おかめぇ?なにいってるんすかぁ。そんなんいるわけないし、いても怖くないでしょ」
「だよなぁ。すまん忘れてくれ。いつかお好み焼き屋もやってみたいから言っただけだ。気にすんな。」
「お好み焼屋やりたいのがどうして化け物になるんですかね・・・。んじゃもう切りますよ」
「ああ、おやすみ。明日は頼むぞ」
プツン、と電話が切れた時、目の前に我が家が見えた。明日も大変そうだから、さっさと休むことにしよう。おかめに襲
われないうちに・・・っと。
ドアノブに手をかけたとき、後ろでカサリ、と葉っぱを踏みしめる音が聞こえた。まさか・・・
「おかめ・・・・っ!?」
咄嗟に振り返ると・・・誰もいなかった。
「ふう・・・。」
冷たい汗が首筋をとおり、道路に滲みを作った。そんなものを少しでも信じてしまうあたりまだ自分も子供ということだ
ろうか。改めてドアノブに手をかけて開き足を中に踏み入れた瞬間。
突如足音が響き、背中から胸にかけて圧迫する力を感じた。これは・・・手!?
「うわぁぁっ!」
たまらず悲鳴をあげた僕は、反射的に右肘を後ろの物体に入れてしまった。
ぶっ、と空気を吐き出したその物体は崩れ落ちるように地面に落ちて、悶え始めた。
夜道を歩いていたおかげか闇に馴れていたこの目はその物体がなにかをすぐに捕らえることができた。
「き、城戸・・・?」
「亜wせdrtgyふじこlp;@:・・・」
そこには友人の城戸が汚いドブネズミのように寝転がっており、口からは大量のあぶくが流れ出し、意味不明な音声
を発している。本当に不快な生き物だ。
「なにやってんだこいつは・・・。」
人を驚かせようとして逆にこんなになるやつを僕はこいつ意外に知らない。
「”#$%&’()=◎~|▽♪>?+*・・・」
まだ意味不明な事を発している。体全体を痙攣させながら、目は焦点が定まらず、視線が宙をさまよっていた。
「おいっ!!大丈夫かよ!!いつまで寝てんだオラァ!」僕は蹴りを連発していた。
その間も城戸は「”jびおdhヴぉvふjどdpvfjbvpfjs・・・」
その様子をしばらく見ていると、吹いてしまった。笑っていると玄関のほうから
「おはよーう!」と父が現れた。
ウチの父はいつも玄関でこの寸劇を行っていると突如として夜でもお構いなしに挨拶をし、城戸に適切な処置をしてく
れる。僕は長年なんでこんな適切な処置を出来るのだろうかと、疑問に思っていた。
またいつもの様に処置をし始めた。
処置は速く右ポケットから迅速にハンカチを取り出し城戸の口に咥え込ませた
迅速な処置のおかげか城戸は意識を取り戻した。ハンカチを城戸の口に咥えさせるまでの速さは異常だった。
「”#$%&’()=◎~ありがとうございます」こいつは元から何を言ってるのかわからない多分礼を父に告げている
のだろう。
父はこれに対し「おはよーう」と返したこれしか言えないのだろうか?これも疑問だ、
城戸は治るとすぐにそそくさと帰って行った。何をしに来たのだろうか、今日は疑問が尽きない日だ。明日のバイトもあ
るというのに気が滅入る。
--------------------------------------続く----------------------------------------------
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どうもこんにちは!だんかん☆彡わたと申します。以前からfc2の方でブログはやっていたのですが、この度こちらに移動することに致しました。多趣味を自負しておりますので、気の合う方は是非ご一報下さい☆
これからくだらんことを並べることになると思いますが、皆様に苦笑いの冷ややかな目で見て頂ければ非常に興奮します。どうか末永くよろしくお願いします![]()

