7日から奈良は生駒の実家に帰っていた。 母は一年分歳をとったはずだが、去年とさほど変わっていなかった。 といっても、耳がさらに遠くなっているらしい。これは自己申告してもらわないと、理解しずらいものだ。


テレビの音量がすごい。 目の前にいるわたしに大声で話しかける。こちらは頭が割れそう。

野球が好きで阪神ファン、昨日の中継ではピッチャーの能見に向かって、能見ちゃん、がんばりや、と声をかけていた。昔からイケメンが好きだ。


母と同じに、築50年の家も老朽化していて、あちこち立てつけが悪い。 網戸やガラス戸が汚れ放題なので、縁側もトイレの小窓も玄関もすべてホースで勢いよく水をかけて、洗い流した。 流しの前の窓から外がよく見えるようになったと、母が喜んでいた。


壁にかかっていた額が2日連続で落下したのだそう。紐が劣化していたのが原因。 それで、他の額も皆外してあった。母がケガでもしたら、わたしが疑われるわ、と、兄嫁が言い、笑い、すべて、掛け時計も外したのだそう。 もしそんなことがあっても、誰も疑ったりしないけど。 


外されて使わない部屋の片隅に立てかけられたままの数点の額を、中身と木製の額とガラスあるいはプラスティックの部分に分けてゴミに出すようにまとめておいた。母の書道の作品はお棺に入れてというので、すでに用意済みの着物などが置いてあるのと一緒にした。


小さな親孝行も、連日、暑いさなかにやると、疲れる。


お盆の支度を、できるところまでして、昨日帰宅。 JRから乗り換える北千住でヘアサロンに寄ってきた。早く帰宅したかったが、すっきりしたかったし、首などをマッサージしてもらうと、疲れが和らいだ。髪も伸び掛けてうっとうしかったのが、短く刈り込んでスッキリした。やはり私にはショートが合う。襟足を駆り込むと、施設で暮らす老婆になってしまうので、襟足は少し長めにした。 


ああ、こうして今年も夏が過ぎてゆく。暦の上ではもう初秋である。