子供達の前でハルと怒鳴り合いの
大喧嘩をしたことがある。


ハルは『超俺理論』を振りかざし、
私は『一般常識』で返り討ち。


「アンタの言う超俺理論と一般常識、
世の中に通用するのはどっちか
わかる?言ってごらんよ!」

私が煽ると、それまで屁理屈で
言い負かそうとしていたハルが

「とにかく、ムリなもんはムリ!」
急に話をシャットアウトした。

この時はまだ、
「はい、ハルの負けー!ザマァ」
としか思ってなかった。




それから、

私が離婚を切り出した時。


泣きながらも
その時にあった出来事と
その時の私の心境を丁寧に話し、

今までどんなに
悲しかったか、苦しかったか、
虚しかったかを切々と訴え、

結婚の継続はもう無理だ、と言った。


だいぶ後になって

「あの時は何を言ってんだか
意味がわからなかった」

ハルに真顔で言われた。


「はあ?わからなかっただぁ!?」
心の奥で、何かがブチンと切れる。

あれだけ事細かに説明したのに
なぜわからないのか。


ひとつの疑問が湧く。

もしかして、
ハルの言う「わからない」って

『聞いてなかったから知らない』
『理解する気がない』
『すっとぼけ』
『テキトーにスルー』

そんなことじゃなくて、

本当にわからない
んじゃないかと。



そして、ネットで
『自閉症スペクトラム』
『アスペルガー症候群』
検索して読んでは見たけれど、
そうかもしれないなとは思ったけど、

なにしろネットの情報だし
本人から打ち明けられたわけじゃない。

心療内科の診断結果さえ
教えてくれなかったんだから。

たとえビンゴだったとしても、
ハルは何も変わらない。

私に寄り添おうという気もないし、
相変わらず自由奔放。


じゃあ、

ハルに神経を擦り減らす
必要なんか無いじゃん。


そう考えると、なんだか色々なことが
ふっきれてしまった。


そっかあ、わからないのかあ、

じゃあ仕方ないね!!



私は変わった。


理不尽なことには
怒り、抗議し、反論する。

もう我慢しない。
卑屈にならない。
黙っていない。

言いたい放題言ってやる。


だって、ハルに何を言ったって
どーせ『わからない』んだもん。

言ったれ。



「ゴミは分別して捨てろって
言ったでしょ!いい加減にしろ!」

「また探し物?だから定位置を
決めろって言ったじゃん。アホなの?」

「雨降りそうだなーって思ったら
洗濯物入れなきゃって発想ないの?」

「え?ご飯がマズい?そうですか!
じゃあご自分で作って下さい!
どうぞどうぞ、遠慮なく!」

「私のせいにしてるけど、
私あの時、3回言ったからね?
ハルが聞いてなかっただけでしょ?」

「ちょっと車出してくれないかな。
え?なんで俺がって?
他人はホイホイ乗せるくせに?
え?俺の車だろって?
私が渡してる生活費の中から
ガソリン代と車検代払ってるよねえ?」

「美容院代くらい出してくれても
いいじゃん。自分にはジャブジャブ
お金使うくせにさ、どケチ!!」

「出たぁ〜俺話!その話長い?
ねえねえ、2時間くらいで終わる?」

「文句あるなら自分でやりなよ
めんどくせーな、ホント」

「イヤミったらしいの嫌いだわ。
アンタのそういう所、大っ嫌い」

「バーカバーカ!ハルなんか
帰ってこなくてもいいよ、3日くらい」




なんかあったら
すぐ嚙みついたるど。


ホレホレ
シュッシュッ(((ง'ω')و三 ง'ω')ڡ≡





でも、なんでかなあ。


昔はこんなことハルに言ったら
激怒して大変だったのに、

今は違う。



何も言わずニヤニヤしながら
私の様子を見ている。

楽しそうに。


ネコパンチをする猫か、
動物園の猿を見るような目で
私を見る。



しまいにゃあ、

『今日も威勢がいいねえ』
『元気でよろしい』

と言わんばかりに、笑いながら
私のケツをパーン!と叩いていく。




あのさあ、

馬鹿にしてんだろ?


ムカつくわー



効いてないアピール
くっそムカつく。



結婚…いや、共同生活30年。



今の私とハルは



「なめんなよゴルァ」
(゚皿゚)キ──ッ!!



「はいはい」
(´ー`)┌ ヤレヤレ

こんな関係。