とある惑星の話を書いてみたい。
地球から遥か遠く離れたところに
その惑星はある。
ここでは、とりあえずその惑星を
「パンジャ」と呼ぶことにする。
パンジャには高度に発達した文明を有する
生物が住んでおり、人間の社会に非常によく似た社会を
構築している。
「トヒ」と呼ばれるその生物は、外見は
人間と全く変わらず、言語を使用して
意思の疎通を図ることができる。
ただ、ひとつだけ違う点。
それはこの「トヒ」という生物には
オス/メスの区別、「男」と「女」という概念がないことである。
オス/メスの違いがないかわりに、
この「トヒ」には「タイプA」と「タイプB」という「型」があり、
この「型」は生まれつき決まっている。
ただし、タイプAとタイプBのトヒには
身体的な違いは何一つない。
個体差はあるが、平均した場合、タイプAもタイプBも
体力、筋力は全く一緒である。
トヒの社会にも「結婚」の制度があり、
タイプAとタイプBが、一組のツガイをつくって家族を築く。
ただし、交尾という行為はない。
タイプAとタイプBが結婚をし、一定期間が過ぎると
運がよければコウノトリがタイプAかBの赤ちゃんを
運んでくる。
タイプAは結婚すると基本的には家庭に入り、
タイプBが外にでて収入を得るが、
タイプAが仕事をすることを希望すれば、
別に家庭に入らずに、結婚後も仕事を続けることができる。
ただしBは原則として家庭に入るという選択肢は許されない。
絶対に収入を得なければならず、稀にトヒのカップルで
Bが収入を得られず、Aの収入に頼らなければならない場合、
世間がBを見る目は厳しく、何を言われてもBはその批判を
受け入れなければならない。
コウノトリが子供を運んできた場合には、多くの場合タイプAが
子育てをする。だが、社会が保育所等の施設を用意しているため、
子供を預けて仕事を続けることもできる。
一方で、例え子供と時間を共に過ごしたいとタイプBが思っても、
それが許されるケースはほぼない。
形式上、タイプBに対して育児休暇を認めている会社もあるが、
取得した場合、周囲の目は冷ややかなもので、
相当の覚悟を持った上でなければ、とても取得できるものではない。
そのため、タイプBは子供と時間を過ごすことは
許されず、ひたすら働き続ける。
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今日はこれぐらいにする。
次回はパンジャにおけるトヒの家庭と
タイプAとBの関わりあい方についてもっと詳しく触れていく。