HR実践者・弓指利武の「とりあえずは俺に任せろ」blog

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個人と組織が、もっともっと輝くために。

HRD(人的資源)とOD(組織開発)の両輪でもって、
実践をメインに探求とライアルを続けながら、

「成功の方程式」を模索していく奮闘記、

そしてたまに、ちょっと変なことも書いちゃうブログです(^^)

健全で誇りある、上質な社会を目指して、


このブログは存在しております。

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あまり湿っぽいことを書くと、

「そういうの、いいし」と、

本人は笑うのだろう。


書こうとした途端に、

あることないこと、

尾ひれはひれを駆使して、

イイことたくさん書いてやれと頭をよぎるが、

それこそ、「そういうの、いいし」なんだろう。



妙に覚えているのは、

一緒に走った深夜の帰り道、

「こっちの方が近いで」という、

何ともいえない、あの、どや顔だ。



あれだけ叫び、

抱き合った研修のことよりも、

帰り道の何気ない、

あの「どや顔」の方が頭に残る。

私自身、どうかしてるなあと、思う。




どうかしてると言えば、

葬儀の日もそうだった。

あなたが生きた最後の夜に出くわしたからか、

私は、泣けなかった。


もう出会えない寂しさを前にしても、

もっといろいろ語りたかったと思ってはいても、

あの最後の夜、あなたの、文字通り全身全霊で、

懸命に生きた姿がこびり付き、

ずっとあの時から、圧倒され続けていたからだ。


そして、半ば冷静に、

あなたがいないこの先のことを考えていた。

悲しむどころではなかった。唖然としていたのだろうか。

少なくともあの場で、とは言え、である。

泣けない自分に、どうかしてるよなあと、思っていた。




生前、私はあなたから、

いろんな話を聞いていた。

信じられない話、かなり凄い話、

青天の霹靂みたいな話。




私よりあなたは若かったけれど、

私より数歩、先を歩いている気がしていた。




実はまだ、私は、

あなたがいなくなったということを、

恐らくきちんと理解できていない。




悲しみはもっともっと、

ずっと後になるのだろう。


わーって泣き崩れるような悲しみではなく、

はぁー、何だ、いないのかよ、というため息に近い。




先日、夢の中にあなたは突然現れた。

淀川に架かる橋の上で、

あなたは私に人生相談をしていた。



おいおい。今更俺への相談って何だ。



そんなことを思いながら、

この夢のクライマックスは、

別れを惜しむわけでもなく、

また会おうぜと抱き合うわけでもなかった。




あなたが懸命に生きた最後の夜。


30分ほど手を握って、

わたしはあなたに、

来るはずもない返事に期待しつつ、

話し続けていた。


聴こえているのかさえも分からない。

これは対話なのか、それとも独り言なのか。


よく分からない中、言葉だけが、

部屋の中を浮遊していた。



今、私がしていることは、

果たして正しいのだろうか。

そんなことも頭をよぎった。




私はあの日、あなたに、何を話したんだろう。

どんな言葉を、かけたのだろうね。

結構、無我夢中で絞り出した言葉達だった。

だからか、ほとんど、覚えていない。





あの夜が最後になるなんて、

思ってもみなかった。





あなたから私は、

ただ生きていることがいかに尊いかを

教わった。


生きるとは、懸命な呼吸の往復であること、

ただそれだけでも尊いということを、

あの夜、わたしはあなたに教えられた。



そうだ、私はいつだって、

あなたから教わってばかりだった。


私からあなたに教えたことなど、

何ひとつない。



いつも私が、与えられていた。

あなたから、頂きっぱなしだった。



私から何も受け取らぬまま、

私から悲しむ涙さえも奪っておいて、

先にいってどうする。



夢から醒めた朝、

ただ虚しく天井を仰いでいた。





あの日から一年。

今もこうして、あなたは生きている。

何かあるたびに、あなたは何て言うだろうと、

思うことがある。

あなたなら、この時、どうするんだろうと、

思うことがある。



こうやって、あなたは今も、生きてくれている。

それが、今も泣かない大きな理由の一つだ。



あの日見せてくれた、

ただ生きるということの壮絶さは、

今の私に、ただただ己を生きよと、

背中を押してくれている。



直接話せないのは無念だが、

皮肉にもそれが、

私の中にあなたがいるということを、

許してくれている。




これからも、

もっともっと、俺に語ってくれないか。


そうして俺は、おこがましいが、

あなたの分まで、生きてみようと思う。




こんな、ちょっとイキったことを書いても、

「そういうの、いいし」と、

本人はやっぱり、笑うのだろう。