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フォトリーディング読書感想文

フォトリーディングで毎日2冊以上の本を読み、毎日1冊以上の書評ブログを書きます。  「読む読書」⇒「アウトプットする読書」 さまざまなジャンルの本を読み、ポイントを押さえわかりやすくお伝えします。

未来のための江戸学 (小学館101新書 52)/田中 優子

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すべての人の必要を満たすに足るものが世界には存在するが
誰もの貪欲を満たすに足るものは存在しない

―――ガンジー


江戸江戸は世界最大級の都市でした。
徳川政権は300年にわたる支配は世界で最長です。
その江戸で育った文化は、歌舞伎、浮世絵だけではなく、世界中から注目されています。



きもの「江戸しぐさ」と言われるお互いを尊重する庶民の「しぐさ」の文化にも、武士の品格をあらわすその言葉からも、江戸文化を感じることが出来ます。

「江戸しぐさ」
「使ってみたい武士の日本語」


暮らしうるおう江戸しぐさ/越川 禮子

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使ってみたい武士の日本語/野火 迅

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自らが行った行為が必ず自らに戻ってくる

ハート江戸で育った精神も大切です。
江戸文化の本質は「循環(めぐること)」「因果(原因と結果)」です。



本本書は、江戸時代の諸事象とその発想法から、今の私たちがつかむべき言葉と方法を見つける内容です。
忘れかけた日本人の精神を知ることができます。


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東京タワー未来につなぐべき江戸の3つ

① 配慮と節度
② 循環
③ 因果


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配慮と節度

江戸時代は、「配慮と節度」という倫理観を社会に打ち立てた。
それを「質素倹約」と表現した。
「もったいない」という言葉も、人間関係を含みさまざまな場面で使われていた。
「分をわきまえる」という考え方もあった。自然に対して人間の分をわきまえるのは重要な姿勢ではないだろうか。
分には「本分」という意味もあり、「けじめ」という意味もある。
江戸時代では、力でのしあがる戦国時代までの競争社会、拡大主義の流れをやめ、秩序を持った縮小社会に収める時代であった。



豊かさは自然の法則

自然界に無駄はない。欠乏は土壌の消耗によって引き起こされ、消耗は消費によって引き起こされる。もし私たちが再利用し、リサイクルし、資源を補給し、配慮と節度を持って資源を使うなら、欠乏は起こりえない。



時代は循環する

江戸時代の現実認識は、あらゆるものには始まりもあるが、終わりもある、ということであって、際限のない膨張や連続や増加は考えても見なかった。
時代感覚も同じである。私たちの時間のイメージは未来(もしくは終末)に向かって一直線で進んでいくが、江戸時代の時代感覚は四季のように循環サイクルだった。



因縁生起

すべてのことには結果が現われる。
起こったことには原因がある。
すべての物事や存在は、つながっていて、お互いに因であり果である。
自らが行ったことや語ったことは、めぐりめぐって必ず自分に返ってくる。


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一万円「子ども手当て」「給付金」・・・・
今の政治は、もともと国民が稼いで納めたお金を、まるで自分たちがくれてやるような名前をつけて、それを呼び水に貪欲を刺激して、消費をあおることをしてします。
景気対策は「金を使えば豊かになる」と言っているのです。
まるで、「豊かさ」お金のあれば実現するかのように・・・・



せつやく日本の伝統的な考え方では、質素は美徳であり、浪費は恥ずべきことでした。
江戸では浪費的な生活をしている人々もいたようですが、それでもなお人々は、華やかな生活に背を向けて自分の道を捜し求める人たちに、尊敬の念を持っていた。
経済的利益ばかりを追求する行為をさもしいことと見下す心情を持っていました。



アップ「ポジティブに前向きに」という言葉が現代に溢れています。
ポジティブは永遠に進化し続けるという直線的な価値観を象徴しています。
勝ち負けを考えることにのみ力を注いだ、欧米的考え方です。
それが架空の利益を追求した今の金融危機を引き起こしたのは言うまでもありません。



ひらめき電球江戸の人たちはとっくの昔に直線的価値観が間違っていることに気づいていました。
「循環(めぐること)」「因果(原因と結果)」
時代はめぐる。
そして、自分に返ってくるのです。



走る人江戸が持っていた価値観は決して、過去のものではありません。
忘れたかのように思っているものは、私たちの中に息づいているはずです。



<目次>

第1章 未来につなぐべきことは何か
未来につなげてはならないこと
未来につなげたいこと 1 豊かさの本来の意味
未来につなげたいこと 2 エコロジーの認識
未来につなげたいこと 3 ボランティアの精神

第2章 江戸社会と現代社会はどこが違うのか
始末と開物の江戸時代
「おさめる」ということ
フォーチュンの見た江戸
水の都市
質素倹約という政治思想
指導者は国内産業の推進者
江戸時代の地域格差
学問は地方で育った
刑罰から見える社会像
外国文化の輸入

第3章 江戸時代はなぜできたのか
「鎖国」観にひそむもの
外交の始まり
倭寇イメージの登場
倭寇とグローバリズム
瀬戸内海賊
倭寇から海商へ
武器の国、ニッポン
東アジアへの参入
外交の時代、江戸時代
世界システムの中の日本
江戸時代が出現した理由

第4章 江戸の生活と今の生活はどこが違うのか
安心と安全の期限
フリーターと遊民
框と縁
公と私
個室のない家
江戸の照明
循環と始末

第5章 江戸時代はなぜ終わったのか
逆戻り
ロシアと日本
環太平洋の中の日本
なぜ忘れ去られたか
江戸学は未来学である