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アメリカ国内の刑務所では、社会復帰させるための職業訓練や教育は、コスト削減で真っ先に廃止されるのです。
技術も教育もなしに、巨額の借金だけを背負った若者たちを大量に出所させたらどうなるか?
あっという間に再犯Uターンですよ
―――ニューヨーク在住弁護士、マイク・ウォーレン
アメリカ
で成長しているのが「刑務所ビジネス」です。90年代以降の徹底した市場主義と、政府の財政難によるコスト削減
のため、刑務所の建設と運営が民間企業に委託されるようになりました。そして、サブプライムローン問題で救済された金融機関
の行き場を失ったお金も「刑務所ビジネス」に集まっているようです。民間刑務所は、採算性が重視されるため、さまざまな問題が出てきています。
刑務所の運営コスト削減するため、受刑者は社会復帰のための訓練や教育が受けられません。
そしてなんと、刑務所内の部屋代
、食事
、医療サービス
まで自己負担させられています。受刑者は、出所してからその借金の返済のために働かなくてはならなくなっているのです。
また、受刑者に「職業訓練」という名目で低賃金で働かせ、仕事のアウトソーシングで収益を上げています。
民間刑務所は、受刑者の数が増加
すると、政府からの助成金と労働収益が増え
ます。受刑者が多ければ
儲かる仕組みになっているのです。すると、民間刑務所は受刑者の増加
が経営目標になってしまいます。
早期釈放への反対
厳罰化の推進
受刑者数を増やすためホームレスを逮捕の正当化
政治家へのロビー活動などの諸問題を引き起こす事態になりました。
本来「営利」
を目的としない「刑務所」を民間に委託すると、更正施設としての目的や機能が失われるだけではなく、受刑者にとっては社会復帰もままならず、結果として再犯率が上昇し
、社会にとって危険な
状況をつくり出してしまいます。映画
「ロボコップ」では、巨大企業のオムニ社が民営化された警察を経営し、街全体を支配していました。警察力など権力を民間が使う弊害が描かれていました。
「刑務所ビジネス」は、この映画に近づいているように感じさせます。
アメリカは世界一の経済力と軍事力を持つ、世界一の国ですが、犯罪大国であり、多くの貧困層を抱えている国でもあります。
アメリカは大丈夫なのでしょうか

COURRiER Japon ( クーリエ ジャポン ) 2010年 03月号 [雑誌]/著者不明

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クーリエ、3月号のメイン記事は「貧困大国(アメリカ)の真実」です。
ベストセラー「ルポ貧困大国アメリカ」の著者、堤未果氏による、アメリカの変化を検証、分析しています。
不況下で家や職、医療保険を失って苦しむ人々の間では、政権交代後の経済がちっとも良くなっていないという不満が拡大している。
ついに10%を超えた失業率は26年ぶりの危機だと言われ、オバマは全国行脚した先々で、不況に苦しむ労働者の冷たい非難をあびた。
「ルポ 貧困大国アメリカⅡ」
オバマ
の「チェンジ」にアメリカは熱狂
しました。「ブッシュで狂ったアメリカ
も変わる」と誰もが確信しました。しかし、あれから1年、多くの国民は今、首をかしげ
ています。「どこからおかしくなってしまったのか
」ウルトラCを望んだ国民は失望し、大統領の支持率も50%を割り込み
ました。「チェンジ」が起こらないのは、相変わらず「過剰な利益を追求する市場原理」と、「政治と業界の利権構造」にあるようです。
本誌にその詳細が書かれています。
▼1日2万人のペースで増え続ける「フードスタンプ」(食料受給券)受給者
▼人間の尊厳を奪う「医療崩壊」
▼学生を借金漬けにする教育システム
▼貧困層を死ぬまで搾取する「保護観察」という民間保護観察産業
状況を改善できないどころか、悪化
してしまっています。アメリカの闇は、より一層その暗さ
を増しています。組織や社会は変化を嫌い、自分の権益を守る傾向があります。
特にアメリカのような大国はオバマ一人だけでは簡単には変われないのです。
そのことに、オバマ
を支持する人々は気づき始めました。国民がその事実をしっかり見つめる
ことが、本当の「チェンジ」の始まりです。大統領選でオバマ
は、7億5000万ドル(685億円)もの選挙資金
を集めたそうです。想像を絶する金額です。
政治には、こんなに多額の「金」が必要な構造になってしまっているのです。
日本でも「政治と金」
の問題は解決されません。政治が「金」から離れるときが、日本もアメリカも、本当に「チェンジ」するときだと思います。
ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)/堤 未果

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