昨日の昼、珍しく妹からメールが届いた。
妹は家族行事に関する連絡をよくよこすので、あぁ今回は数日後の俺の誕生日に関することかなと、なんとなしにメールを開く。
けどそこに書いてあったのは予想してたものとはまるで違うものだった。
訃報。
俺と妹がお世話になっている劇団の舞台監督さんが亡くなったとの事だった。
驚きと同時に、そうか……という思いもやってくる。
その劇団はもう60年以上活動している劇団で、当然スタッフさん達も高齢な方が多い。現場ではこんな冗談がよく交わされていた。
「俺らも大概いい歳なんだからいつお迎え来るか分かんないよ?○○さんなんて棺桶に片足突っ込んでるんだから」
冗談が冗談でなくなっちゃったなぁ……。
自分自身、その方と多くは仕事をしていない。
それでもたまに行く事務所で舞台の図面を黙々と引いてたり、袖から舞台を真剣に見つめるその人の姿を見て、「あぁこの人は舞台が本当に好きなんだな。」と感じる事がよくあった。
そういう方に舞台を支えてもらえてる安心感とありがたさを感じ、そして「自分もしっかりお芝居しよう!」という気持ちによくなった。
「開演5分前」 高齢な為、決して大きな声ではなかった。声も震えていてあまりよくは聞き取れなかった。
けど俺はその声に不思議と安心感を抱き、「よろしくお願いします!」と大きく返事をした。
もう、あの開演前を知らせる声を聞くことはできない。
しかし、劇団のみんなの心にはしっかりとあなたの声が聞こえるはずです。
「開演5分前」
あなたの天国からのQ出し、みんなにはしっかり届きます。
どうか天国で舞台を見守って下さい。
今までお世話になりました。ご冥福を心よりお祈りします。
