「ワールドカップの予選はアウェーが厳しいと良く言われるけれども、実はホームのプレッシャーのほうがキツイ」、ある選手がインタビュー記事で語っていたのを読んだことがあります。初戦の勝ち点1獲得、前向きに考えましょう。
今日の試合で気になったのは、グラウンドの中で相手の選手が倒れているのに日本代表が攻撃を続けていたことです。試合中に足が攣るのはよくあることです。試合の展開を考えると遅延行為の可能性も考えられます。後半残り10分、何としても勝たなければならない。それでも、ボールを外に出さないと…。
倒れている選手がいるのにボールを回し続ける日本代表を見た瞬間にわかってしまいました。「この試合の勝ちはない」
フェアプレーを謳うFIFA の内実が、決して美しいものではないことは昨今の報道の通り。それでも、選手にはフェアプレーに徹して欲しい。あの状況で、点が入らなかったことを喜ぶべきかも知れません。少なくとも「永久に残る汚点」を残さないで済んだから。
私の記憶にある一つのプレー。確かワールドカップの予選だったと思います(アジアカップだったかも…詳しい状況が思い出せなくて申し訳ない)。相手は中東のチーム、試合は膠着状態のまま後半の残り時間もあと少し。攻めていた日本代表、中田英寿選手が突然ボールをグラウンドの外へ。テレビカメラが捉えたのは、遥か後方で倒れている相手の選手…。今日の試合と違って、そのまま攻撃を続けても非難されない状況。それでもプレーを止めた中田選手、まさにフェアプレー。「キャプテン翼」を読んで育った男の真骨頂。
日本に1点が入ったのは、その直後でした。サッカーの神様はいるのです。
ブーイングするべきなのは、試合に勝てなかったことに対してではない。見苦しいプレーをしたことに対してだ。
テレビ朝日の中継より
追記(6月17日) いつの試合だったか調べました。
2004年2月18日 ドイツワールドカップ・アジア・一次予選 日本 対 オマーン 戦 (さいたまスタジアム2002)
後半ロスタイム 久保竜彦選手のゴールで1-0 で日本が勝利。