それいゆのブログ

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2013年7月.5歳の娘・あやちゃんに脳腫瘍の疑い? 
→脳梗塞(虚血性病変)の疑い?
→急性散在性脳脊髄炎(炎症性脱髄疾患)の疑い?
→急性小脳炎,血管炎(炎症性病変)の疑い?

共働き家庭の記録です.

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9月13日(金),夕方保育園から職場に電話がかかってきた.


・昼寝から起きて,おやつを配膳している頃,やや前かがみでおでこを押さえながら担任の先生に「ふらふらする」と訴えてきた.

・そのまま職員室まで歩いて行くことができ,横になっていたら少し良くなった.

・手が冷たかった.

・熱は36.8度.

・つぎ足歩行をさせるとやはりふらついていた.

・本人はおやつを食べたがっているが,与えてもよいか?

・心配なので早めに迎えに来て欲しい.



とのことだった.


おやつを食べさせてくださいと伝え,急いで仕事を片付け,私が保育園につくころには,あやちゃんはおやつを食べ終えて明るい表情.

食べたら少し血の気が戻ったらしい.


午前中は運動会の合同練習を外でしていたらしいので,脱水からのめまいか?とも思うが,よくわからない.

つぎ足歩行,片足立ちともにむかって左側によろめいていた.


早上がりして帰ったら「もっと遊びたかったのにー!」と不満顔.


私だって,もっと仕事したかったのにー!(笑)



明日は,外来で重心動揺検査と発達心理検査.

この一件も,一応先生に伝えておこう.

検査入院最後の夜に,現時点で出ている検査結果をもとに,主治医からの説明があった.


【ふらつきが起こる病気と特徴】

急性小脳失調症
・感染の後,しばらくしてからふらつきなどの症状が出る.
・MRIは正常から少しの異常.
・髄液の細胞数が上がる.
・基本的には自然に治る.心配せず様子見でよい.ひどい場合はステロイドを使うこともある.

急性小脳炎
・急性小脳失調症よりは珍しい.
・発熱後に起こる.
・MRIや髄液で証拠がとれる.
・意識障害が出たり,ふらつきが強かったりする.

○上記2つと言われたが,その後の経過がよくない(症状が反復したり慢性化したりする)もの
オプソクローヌス・ミオクローヌス・アタキシア症候群
 (自己抗体が原因で小児によく起こる病気.神経芽腫(卵巣のまわりの腫瘍)に合併して小脳症状が出ることがある.腫瘍の悪性度が低い場合に,ふらつきや眼の動きの異常が反復することが多い)
→自己抗体の尿検査は結果待ちのため,結果がよくない場合や,症状が反復する場合は,腹部造影CTへ.尿検査は結果待ち.


【あやちゃんの場合】

脳炎のような強い症状ではなさそう
○9月撮影の画像では慢性期の所見があるだけ.
○9月の検査時所見としては,「脳波に異常がある」「臨床症状(ふらつき)が明らか」
○脳波:入院初日にとった脳波で頭のうしろを中心にゆっくりした大きな波があった.明らかに普通とは違うが,意義は不明.2日後にとった脳波はまったく正常なものだった.
 →今後強いふらつきが再発してしまった場合には,再検が必要.


【今回の検査結果から考えにくい疾患】

○耳の病気:耳はきれい.聴覚脳幹検査も問題なし.
○脳梗塞:画像で境界が明瞭でない.心臓(不整脈),血液(凝固障害)に問題ない.水痘にもかかっていない.
○血管炎:頭頸部MRAで血管がきれい.右椎骨動脈は細ーく写っている.
○ADEM:先行感染があり,再発があるという点で可能性はあるが,ADEMなら画像でもっと所見があることが多い.場所が1箇所なのも非典型的.
○多発性硬化症:大人に多く,再発する病気で,病変がいろいろなところにできる.
→ADEMや多発性硬化症の可能性は低いと思われるが,必要な検査は提出済みで現在結果待ち.「陽性なら診断確定」というような特異的な検査ではないので,結果だけではなんともいえない.


今後のこととして,体調を崩したときにふらつきが出る可能性があるらしい.
そして,知的発達・運動発達に遅れが出る可能性があるそう.
見たところ,最近突然運動が苦手になったとか,不器用になったとか,話す内容や書く内容が変わったとかいうことはないんだけどなぁ.
次回外来で発達検査(心理検査)をする予定.

・血液検査
・髄液検査
・頭頸部MRI
・頭頸部MRA
・頭部CT
・心エコー
・腹部エコー
・胸部エックス線
・聴覚脳幹検査
・重心動揺検査
・心電図
・脳波
・筋電図
・尿検査
・SPECT


異常があったのは
・頭部CT→7月10日(急性期と思われる)の画像より薄くぼんやりした像になっている.新しい病変はない.
・頭部MRI→7月25日の画像とほぼ同じ.
・脳波→後頭部に徐派がある.睡眠時よりも覚醒時で顕著.大脳の一部で機能していないところがある?


2泊の予定が5泊に延びたけれど,今日無事に退院.

帰宅してちょっとしたら,家族3人とも平常運転に戻り,私は家事,パパとあやちゃんは近所のお祭りへ.

どんなに散らかってても,洗濯物がたまっていても,「我が家」ってすごいなぁ.

明日はあやちゃんの父母会の仕事.退院が間に合ってよかった.
結局,発熱しているけど小脳症状が出ているということでそのまま入院.


そして,本日退院!

の予定だったけれど,

脳波に所見があったことと,強い菌での風邪から小脳失調症状がまた出ていることから,

退院は延期に(TT)


明日以降,SPECTなどの追加検査を行うことになった.


明日は午後両親に来てもらい,あやちゃんをみていてもらって

わたしは病院から通勤の予定.


早く退院したいなあ.
のはずだったけれど,,,さきほどホカホカと熱いので検温したところ

まさかの発熱(38.8度)


「風邪を引くと入院できない」と聞いていたので,おそらく延期になるのかと.


うーん.夫婦そろって夏休みをこの検査入院にあてることにしているのだけれども.


仕方なし・・.


明日の様子を見て,朝の受診だけでも行ってみることにしよう.
2013年8月7日.

T大病院の小児神経外来を受診.



受診の経緯:

7月25日に,ファーストオピニオンで「小児脳梗塞の疑いで1年後に経過観察MRI撮影」と聞いた後,友人の神経内科医に「小児の脳梗塞やめまいのことを相談できる病院はどこ?!」と質問した.すると,「小児科の中に,小児神経科といって神経を専門にしている先生がいる.子どもは大人と全然ちがうので,すべて小児科の中で枝分かれしているんだよ」と教えてもらった.

(それまで,そのことをまったく知らなかった)

さっそく日本小児神経学会のホームページ(http://child-neuro-jp.org/visitor/sisetu2/senmon_simeilist/map_simei.html)でどの病院に専門医がいるかを調べたところ,我が家の近辺ではT大病院に最も多くいることから,Y耳鼻科のY先生に紹介状を書いてもらって初診予約.

T大病院の初診予約は,電話が混んでいてなかなかつながらなかったうえ,「どうしても小児神経専門の医師に診てもらいたい」ということを伝えるために予約オペレータ→小児科外来受付→外来ナースと,いろんな人に事情を説明しなければならなかった(が,結果として頑張って正解だった).



診察:

まず,めまいの症状の経過,1月に倒れたエピソード,7月上旬にめまいが悪化したエピソード,これまでの受診歴,出生時のこと,身体的・知的発達のこと,予防接種のこと,家族歴,,,それ以外にもたくさんの質問を受けた.

画像については,やはりCTとMRIでだいぶ違ってますね,ということと,画像からだけでは診断が下せないし,鑑別として脳梗塞とアデムがあがっているので,追加の検査の結果を見てからですね,という話があった.

その後,先生とあやちゃんがしばらく会話した後,かなり詳細な神経学的検査を行い,すべて問題なしとのことだった.

問診と診察はかなり詳細で,ここまでで1時間くらいを要した.


先生は「考えられる病名と,必要な検査についてちょっと考えたいので,待合室でお待ちください」とおっしゃり,待つこと10分ほど.



小児神経科医の意見:

○今日みたところで一番しっくりくるのは「急性小脳炎」. 「血管炎」もありうるかと思う.

○9月初旬に2泊3日で検査入院して,頭部と頸部のMRA・MRI,生理学的検査,血液検査(脳梗塞リスクを調べる詳細なもの),耳の検査,心臓エコー,心電図検査などを行いたい(夏休み中の8月は検査入院が多く,予約を入れられない).

○ただ,3週間以内に保育園で水疱瘡が出たら入院延期(保菌している危険性があり,万一入院中の子にうつると白血病の子どもには致命的となるとのこと).

○運動制限は特になくいままでどおりでよいが,急に走る方向を変えるなどツルっと転ぶ危険のある動きはやめたほうがいい

強いめまい,顔が左右非対称になる,しゃべるときろれつがまわらない,手足の動きがおかしい,よく転ぶなどの場合は昼間は小児科外来に電話を.夜間なら救急に電話を.それ以外の風邪や熱は開業医でよいし,「いつものめまいだな」くらいの軽いめまいであれば自宅で様子見でもかまわない.

○検査入院までに過去の論文を調べて可能性のある疾患を考えたい.


とのことだった.
その後,入院の案内をナースから聞いて終了.


よく問診し,あやちゃんの診察をした上でじっくりと考えてくださるし,たとえば「あくびのあと音が大きく聞こえると言う」「赤ちゃんの頃からいびきをかく子だった」「膝を痛がる」といった,これまでの先生に「それは関係ないですね」と言われてきたことでもカルテに記録して,考える材料にしてくださる.

「調べてみますね」
「考えてみますね」
「いつでもお電話ください」

という言葉に,安堵.

私の感想として一番大きいことは,「ようやくあやちゃんの主治医がみつかった!」ということだった.


あやちゃんの場合,耳鼻科から直接脳外科(成人専門)に行ったので紆余曲折あったけれど,やっぱり子どもは最初に小児科に行くべきなんだ,ということを学んだ.


でも,脳外科で脳腫瘍や脳梗塞といったシビアな病名を聞いたことも,必要な経験だったんだと思う.どんなに元気な子もいつ生死に関わる病気になるかわからないし,現実にそういう病気と闘う親子がたくさんいる.親御さんがどんな絶望感の淵に立たされているか,その中でも楽しみを見つけながら過ごす子どもの姿がいかにひたむきか.

検査結果によっては,あやちゃんの病気も再びシビアな展開になるのかもしれないけれど...


とりあえず来月の検査までは,落ち着いて様子見をしたいと思う.

神経内科(成人)医の友人には,発覚当初からあれこれ相談してきた.

その友人の意見はこう.


○セカンドオピニオンの先生の意見が,「まさに!」で,CTとMRIの解離に謎が残る.

○小脳の病変と,症状と,閉塞血管(右椎骨動脈)が一致しているので脳梗塞の可能性も否定しきれないが,虚血病変ならMRIで白く残るはず.

○CTの所見部位で,円形の中心部が一番黒いように見えるけれど,ここは脳の血管支配領域に一致しないし,こんな梗塞は見たことがない.

○血管炎,アデム,脱髄疾患なら病変がアクティブなときとそうでないときで変化がある.

○CTの所見部位は,歯状核周辺に相当しており,MRIでもその場所はムニュムニュとした像があるように見える.

○再度CTを撮ってみた場合に,最初の病変の写り方がどうなのかが気になる.


やっぱり,現段階では「謎」ということだった.


昨日のあやちゃんは顔いろが冴えず,保育園の帰り道で「ちょっと顔色がよくないね.だいじょうぶ?」と聞くと,「うん,大丈夫.先生にも顔色悪いねって言われたの」とのこと.


脳神経系だけでなく,やっぱり他科の検査もしなくちゃ,と思っている.


保育園での生活は,変わりなく続いている.

担任の先生と看護師の先生には,あやちゃんの病状や,医師の意見などをそのつど報告してきた.

今日はセカンドオピニオンの内容について話し,これまでのCT画像,MRI画像,診療情報提供書のコピーもお渡しした.



看護師の先生は,とてもあやちゃんのことを気にしてくださっているよう.「小児脳梗塞の病態生理がわからずに,論文を検索したりしていたが,まったく報告がなく疑問を抱いていた」とのこと.

セカンドオピニオンで出たADEMの病名をお伝えしたら,「私も調べてみますね」と言ってくださる.
これは,とても心強かった.


あやちゃんのなかで,何が起こってるんだろう?

どんな兆候がでたら要注意なのか?

診断名をはっきりさせたい.


そのためにも,私がしっかり考えて必要な医療を選んでいかなくては!!


と,思っていたのだが(パパは,あまりそういうのが得意じゃないので),日々あやちゃんが生活する保育園の看護師の先生も一緒に考えてくださっていたというのが,とてもありがたい.


園生活での課題として,どんなとき様子見レベルで,どんなとき開業医受診レベルで,どんなとき大学病院受診レベルで,どんなとき救急車レベルなのか,を明らかにする必要があるとのこと.

保育園が気にしていることは,まさに私が気にしていることでもあった.

保育園にとっては,責任問題にもなりかねないので,慎重に検討したいのだろう.
いずれ,有事時の対応について園長,看護師,担任の3者で面談をしたいとのことだった.

あさっての小児科受診以降,しっかりとした小児科医のサポートを得て,早く保育園生活を安心して過ごせるようにしたい.

今日はプールにも問題なく入り,楽しかったようだ.
先生方は,さぞや心配してくださったことと思う.
それでも,みんなと同じ園生活をできてあやちゃんは幸せです.
先生,ありがとうございます.


2013年8月3日.


急性散在性脳脊髄炎や多発性硬化症では視力障害が高い確率でみられるということだったので,念のためにJ大病院眼科を受診.

結果,

・視力
・眼圧
・視野
・眼底

すべて異常なしとのことで,ひと安心



昨日セカンドオピニオンをとりに行った都立の子ども専門医療センターに,この眼科の先生が非常勤で診察をしに行っているそう.


アドバイスとして,

「普段の経過観察は近くの大学病院の小児科にしておいて,いざ手術や入院となったときに都立の子ども専門医療センターのほうに行くのがお勧め」

とのことだった.


たしかに我が家からはちょっと遠い(車で1時間半)ので,そのほうが現実的.


8月7日,T大病院の小児神経外来を受診して,やはり脳梗塞の可能性も残るので循環器系の検査が必要ということになれば,T大病院に引き続きお願いしようと思う.

ただの風邪レベルは近くの開業医,神経系,循環器系の症状があるときはT大小児科,ということにしようかな?