クリスマスプレゼント | 煮詰まっただんご汁

クリスマスプレゼント

あるところに仲の良い兄弟がおりました。


兄は病気がちで、特に冬場は寒さで病気がひどくなるといけないので一歩も外に出れないのでした。

それとは反対に弟はいつでも元気、生まれて今まで病気ひとつしたことがなかったのです。


弟は常に思っておりました。

自分の元気な体を兄にあげたいと。

自分が代わりに病気になってもかまわないから、兄には健康な体を手に入れて欲しいと思っていたのです。


そしてクリスマスの日、弟は枕元に白い靴下を置き、サンタクロースへのお願いを書いたメモをその中に入れました。


メモにはこう書いていました。

「兄を病気を治して欲しいです。僕の体を兄に与えてください。」


そこにやってきたサンタクロース、名前をだんご汁といいました。

弟のメモを見ただんご汁は、

こういう願いはかなえるの無理なんだけどなあ。

でも、この子、兄貴思いのいい子だし、なんとか叶えてやりたいなぁ。


そう思っただんご汁は携帯電話を取り出し、ある人物に電話しました。

・・・・


翌日、目覚めた弟。

周囲を見渡すと自分の部屋ではないことに気付いた。

どうやら兄の部屋に居るらしい。


おそらくサンタクロースが願いを聞き入れ、兄と体を入れ替えたに違いない。

兄はベッドのそばのいすに座っていた。

先に起きて来たのだろう。

弟が起きたことに気付き、こっちを見て言いました。


兄「これって、サンタクロースへの頼みごとかい?」

差し出してきたのは自分の書いたメモだった。


弟「そう、兄さんが元気になるにはこの方法がいいと思ったんだ」


兄「なんて馬鹿なことを!治るかわからない病気なんだぞ!」


弟「兄さんが苦しんでるのは見てられなかったんだ!」


・・・・・・・


そのころ、だんご汁は、、、、

一仕事を終え、ファミレスで和風ハンバーグを食っていた。

そこへ携帯へ電話がかかってきた。

すごい偉いサンタクロースの総元締めで上司の中尾彬(仮名)だった。


彬「おつかれ。」

相変わらず渋い声だ。


だんご汁「あ、おつかれさまです。」


彬「あんなことは今年だけにしてくれよ?」


だんご汁「すいません、無理言っちゃって。」


彬「まあ、いい子みたいだから願い聞いたけど、特別なんだからな。」


だんご汁「すいませんでした。まさか、願いを二つも願い書いてあるって思わなかったもので。」


そうです。

メモには二つの願いが書かれているとだんご汁は思ったのです。

そのどちらも叶えたのでした。


メモにはこうありました。


兄を病気を治して欲しいです。

僕の体を兄に与えてください。


つまり、兄の病気は治り、さらに体が入れ替わっているということなのです。




病気が治っていることを兄弟が知るのは、もうちょっと先のお話。


そして入れ替わった兄弟がこの先どうなるのか?

続きはまたの機会に。