リーかあさま記念館のブログ -2ページ目

S.Tさんのこと その2

S.Tさん(女性)のこと(その2)
みなさん、こんにちは。まだまだ自粛の続く今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。

前回、今から79年前に亡くなったコンウォール・リーさんの生き証人であり102歳で一昨年亡くなったS.Tさん(女性)のことをご紹介いたしました。またこの方は、わたしが神学生だった30年以上前にも大変お世話になった方です。
この方は、わたしにコンウォール・リーさんのことを多くは語りませんでしたが、物静かの上にいつも優しさを持った方でした。

S.Tさんは、『草津のタルピッ』という本(楽泉園在日韓国朝鮮人入園者の証言集)の中でコンウォール・リーの優しさについて語っておられます。

ハンセン病者のために自分のものをほとんど与えられ自分のものは最低限のものしか持っておられなかったこと、しかし品があって見すぼらしくはなかったこと、「大人も子供も、ミナワタシノコドモデス」と言っておられみんなが「かあさま、かあさま」と言って慕ったこと、が述べられておりました。

そのようなコンウォール・リーは、みんなから絶大な信頼を受けました。教会に入会する人も増えました。教会の人数も500名を越えました。当時湯之沢の人口は最大800名でしたので、その影響は大きかったと言えると思います。

S.Tさんもこのようなコンウォール・リーから大きな感化を受けました。本当の優しさをコンウォール・リーによって学んだと思います。

わたしも、このようなS.Tさんに触れられたこと、また大きな教訓を得たことがありました。それは、「本当の優しさは、自らを誇らない」ということです。

そのことを、次回お話ししたいと思います。


 

S.Tさんのこと その1

皆さん、こんにちは。
「リーかあさま記念館」事務局長の松浦です。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、自宅でお過ごしの方が多いことと思います。この影響で「リーかあさま記念館」も現在、臨時休館中です。大変申し訳ありません。

 

草津に来られることができない皆様のために、このブログで少しでも草津の近況をお伝えしながら、当記念館でお伝えしている、コンウォール・リーさんのことやハンセン病の歴史に関することをお伝えしていきたいと思います。

 

 

S.Tさん(女性)のこと

 

わたしが草津聖バルナバ教会の牧師として赴任した17年ほど前は、国立のハンセン病療養所・栗生楽泉園(くりうらくせんえん)の入所者(回復者)の中には、コンウォール・リーさんの時代に生き、生き証人の方が数人おられました。
いろいろとお話をお伺いしないまま、次々と天に召されてしまいました。

 

一昨年102歳で天に召されたS.Tさん(女性)のことをご紹介したいと思います。この方は、聖バルナバ・ミッションが始まった年と同じ大正5年(1916年)に生まれました。
1928年草津湯之沢に来られ、翌年草津聖バルナバ教会にて洗礼を受けられたとのことです。聖バルナバ・ホームのうちの女子ホームである「聖マリア館」に入居しました。
1942年に栗生楽泉園に入所、結婚しました。その後は、楽泉園の中にある「聖慰主教会(せいなぐさめぬしきょうかい)」の信徒として過ごされました。
わたしにとっても大きな影響を下さった方です。

 

次回には、S.Tさんが語ったコンウォール・リーの思い出などについて記したいと思います。

2020年度の開館について

2020年度のリーかあさま記念館の開館についてお知らせいたします。

当初の予定では4月18日開館の予定でしたが、新型コロナウィルス感染を防ぐため当分の間休館とすることとなりました。

皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、どうぞご理解をお願いいたします。

開館の際には改めてお知らせいたします。

 

リーかあさま記念館事務局長

松浦 信