では後編を書いていきます。
前回は危険ドラッグ使用3年目、会社を解雇された所まで
書きましたがその続きへと参ります。
3年間もほぼ毎日危険ドラッグを吸引し
頑張って長年続けてようやく手にした
社会的地位、職を失いました。
これまでのお話をまとめると以下になります。
【内面】
:性格ががらりと変わった(凶暴性を増した)
:人と接するのが怖がるようになった
:薬物で自分を保とうと思うようになり、より依存していった
【外面】
:滑舌が悪くなり呂律が回らなくなった
:平衡感覚が狂い車の運転がまともに出来なくなった
:顔が変形してしまった、主に目が見開き瞳孔が開いていた
4年目、5年目になると以下の上記に加えて、副作用が出始めました。
どういった副作用が待っているか知って頂きたく書きます。(これは自身の例です)
:平行感覚が更に狂い歩行が困難になった
:極度の冷え性になり、真夏でも暖房を付けた
:ドラッグを使用していなくても幻聴や幻覚を聞いたり見たりするようになった
:吸引後に意識を失う事が多くなった
:気が付いたら無呼吸になり何度も窒息した
:手が常に震えPCのタイピングもままならない様になった
:人に会いたくなくなり外出はほぼドラッグを買うときのみになった
:食事がまともに取れなくなり体重が20㎏落ちた
:物忘れが激しくなり何年の何日か分らなくなった
:生殖器が委縮し、勃起する事がまれになった
:更年期症の様に頭が常に逆上せていた
:上記に加え、首の発熱が異常なくらい起こった
:無呼吸状態と共に肺機能の低下によりいつも息苦しかった
:いわゆるむずむず脚症候群になった
:上記の様々な要因により寝る事が出来なくなった
:当然食事もままならなくなり栄養不足で舌苔 (ぜったい)になった
:頬は完全に痩せこけどう見ても薬物常用者の顔になった
:完全に呂律が回らなくなっていき言語障害に近い状態になった
細かく書けばもっとありますが…様々な病気を併発しているのが
分ると思います、恐ろしい副作用です。皆さんは絶対こうならないで下さい。
特に辛かったのは呼吸が苦しいのと、むずむず脚症候群、逆上せ状態ですかね…。
そもそも睡眠が取れないのが一番辛い事でした。
そういった副作用の症状が4,5年目になるとはっきりと自覚します。
そして婚約までしていた愛する彼女は…とうとう私の元を去って行きました。
後悔しても遅いのですが失ったものは大きかったのです。
5年目、貯金は底を尽き始めました。
このまま死んでしまおうと首を吊りました。
しかし、紐代わりに使ったバスタオルはするりと解け
死ぬ事は出来ませんでした。
私は宗教家でも無く、神様仏様を重んじておりません。
でもきっとまだ死ぬ時ではなかったのでしょう。
生きろ!と自分の心の奥底が叫んだように思いました。
気が付けば常用から6年目に差し掛かる手前でした。
更に吸引を続けていたら死に至っていたとはっきり分りました。
上記の様な副作用を何とか克服しようとまずは断薬をしました。
そして流動食やサプリメントから栄養を確保し
ジョギング(最初は出来なかったのでフラフラのウォーキングから)
も始めました。すると徐々に症状は改善されて行きましたが
軽くなった程度で社会復帰など夢の又夢くらいの状態です。
薬物依存症無料相談センターにも電話をし
担当の方に相談しました。すぐに精神病院への入院を勧められましたが
せっかくの有り難いアドバイスも拒絶してしまいました。
申し訳ない事をしてしまったと今では反省しております。
お顔も分らずお名前も忘れてしまいましたがこの場をお借りして
お詫び申し上げたいと思います。申し訳ございませんでした!
そしてもう自力では生存不可能と判断し
フラフラになりながらも精神科に駆け込みました。
正直に薬物を常用し続けてきた事は言えませんでした。
恥がそれを邪魔していたのでしょう…愚かです。
症状のみを説明し診断を受けました。
発症原因は仕事上のストレスだと思うと伝えました。
症状の正体は、はっきり言って分らないと言われました。
専門家の先生が言う事です、正直耳を疑いましたが
それほど様々な病気が併発していたのでしょう。
障碍者認定しようかと言われましたが断りました。
処方された薬は睡眠薬等を含むと8種類程。
異常な量です。
脳の状態が心配になりMRI検査も受けました。
結果は恐ろしい事に大脳皮質にたくさんの小さな穴が
空いた状態になっていました。
医者は当然、薬物使用を疑っていましたが
上記にも書きましたが、私は恥ずかしさもありそれを隠しました。
まあ当然バレてはいたとは思いますが…
そうです、危険ドラッグはこんなに恐ろしいモノなのです!
そして受診から半年が経ち、薬のお蔭やトレーニングの効果もあり
症状はほとんど改善されて社会復帰の入り口がようやく見えてきました。
見えてきましたのですが…
恐ろしい事に依存性はやはり完全には治ってはいませんでした。
ある日、インターネット通販で危険ドラッグを買ってしまいました。
商品を品定めする自分はどう映っていたのでしょう…
本当に馬鹿です、愚かです。
何をやっているんだと自分の中で葛藤があり頭を抱えました。
商品が届きました。
封を開ける手が震えていました。
開封すると1パケット5gの商品と供にご丁寧に【試供品】と書かれた
パッケージデザインの無いものが3g程入っていました。
やるかやらないか(吸引を)3日悩みました。
そして3日後…
ドラッグを吸引しました。
7,8か月ぶりですか…
懐かしさと後悔と情けなさと自分への失望。
色んな葛藤がありましたが。
両方のドラッグを半分程使用しました。
体は拒絶をするどころか
待ってました!と言わんばかり快感を得ました。
しかし、これまでと違ったのは
その後はドラッグに手を付けなかったのです。
初めて危険ドラッグに打ち勝った瞬間でした。
後はもう二度とやらない!社会復帰を目指す!
また経営陣として会社を動かすような人物になるんだ!
そんな決意をし、ドラッグを物置にそっとしまいました。
就職活動を始めました。
不安で一杯でしたが10数社受けて
1社を除き内定を貰いました。
嬉しかったです!また俺は立派な社会人になるんだ!!
決意をし某企業を選ばせて頂きました。
そんな矢先でした。
それは突然やって来ました。
早朝7時前でしょうか、突然呼び鈴と玄関をノックする音。
そして【○○さん!】と大きな声で呼ばれました。
何事かと思いのぞき窓を見ると指で塞がれていました。
ぞっとしました、パニックになりました。
しかしノックはやまず、このままでは近隣の方に迷惑が掛かる
そう思いチェーンを付けたままドアをそっと開けました。
…見たこともない人がいました、しかも5、6人も。
【○○さんやな?】と言われたので、はい。と答えました。
この時点でようやくこの方々は刑事なのだと思いました。
チェーンを外すと玄関に入って来ました。
そして、逮捕令状と家宅捜索差押状を見せられました。
【分るよな?】そう言われ私は何の事ですか?
と聞くと【薬事法違反だ。これ令状な。部屋調べさせてもらうから。】
刑事さんたちは皆で手分けして私の部屋を捜索し始めました。
そして物置から危険ドラッグを発見し、【これは何だ?言ってみろ。】
そう言われ私はドラッグに間違いありませんと言いました。
【んじゃ7時34分、○○さんを薬事法違反で逮捕します。】
刑事さんはそう宣告すると私に手錠をはめました。
生まれて初めて手錠をはめられました、屈辱と後悔です。
そして自宅前に停車してあったバンに乗せられて…
次回は拘留された時のお話し、留置所、拘置所、そして裁判結審までの
お話を書いていきたいと思います。
お読み頂きありがとうございました。
※ご相談やご質問、お悩み相談等、受け付けておりますのでお気軽にどうぞ!危険ドラッグは絶対に手を出してはいけません!興味本位でやる事は絶対辞めて下さい!
又、周りに使用している方がいらっしゃれば直ちに辞めさせて下さい!