母さんは23歳で結婚をして
兄とわたし、そして妹の
3人の母となった。
父とはバイト先で知り合った
とか言ってたかな。

小さな工場の跡取りになった父。
母さんは事務員として
父を支えていた。

工場の油の匂い
沢山のネジや機械。
わたしは小学校の帰りに
父と母さんの居る工場に寄り
ちょっと遊んで帰るのが
日課だった。

わたしが
小学校高学年の頃だったろうか。

父が仕事をしなくなった。

朝起きてこない。
家に居なければパチンコ屋さんに
行っている様で
母さんが仕事先の方に謝りながら
電話で父を探している。
工場は叔父さんも手伝っていたから
どうにかなっていたと思う。

子供ながらに
父はどうしてしまったんだろう。
困っている母さんが可哀想で。
でも幼かったわたしは
父に何か言えるわけでもなく
不安な気持ちを抱えて
両親の姿を見つめるしかなかった。

わたしが12歳くらいの記憶。